ビジネスマンにとって、ほぼ毎日着用するアイテムといえばスーツですよね。

職種にもよりますが、スーツを着用する職業の場合、四季がある日本では季節ごとに合うスーツを着用する必要性が出てきます。

例えば、夏場など「この夏を涼しく乗り切るスーツが欲しいなぁ」「清潔感を保つための簡単な手入れ方法がないものか」と感じたことはありませんか?

今回は、そんな「日本の夏を涼しく乗り切るためのスーツはどのようなものが適しているんだろう?」と悩んでいる方のために夏に合うスーツの種類夏場のスーツの着こなし方、そして夏場のスーツの手入れの仕方について紹介をしていきます。

1. スーツは春夏、秋冬、オールシーズンの3タイプがある

そもそもですがスーツは季節によって、

・春夏向け
・秋冬向け
・オールシーズン向け

の3タイプがあります。

四季がある日本でも各季節に合わせたスーツを選ぶようにすれば、それぞれのシーズン、そして高温多湿な夏場もストレスなく涼しく過ごすことができます。

このチャプターでは、夏向けのスーツの種類、生地、涼しく着こなす工夫について紹介をしていきますので、暑い日を涼しく過ごす知識として活用してみてくださいね。

1-1. 季節ごとに合うスーツの違い

春夏秋冬と四季があり、季節ごとに気候が変わる日本ではそれぞれの季節に適したスーツがあり、春夏向けと秋冬向けでは以下のような違いがあります。

  • スーツ 夏
春夏向けのスーツ
  • 生地:薄く、軽い生地
  • 生地の織り方:空気を通し、風通しを良くするために織り方は粗め
  • 素材:ウール、コットン、綿(100%)、モヘア、麻(リネン)、シアサッカー、ジャージー素材など
  • 仕様:スーツの背中の裏地がない「背抜き(せぬき)仕様」
  • 特徴:通気性と吸汗性に優れた仕上がり
秋冬向けのスーツ
  • 生地:厚く、重い生地
  • 生地の織り方:空気を通さず、体温で温まった空気を逃さないために織り方は細かめ
  • 素材:ウール、カシミア、綿(100%)、ポリエステル混など
  • 仕様:スーツの背中の裏地がある「総裏(そううら)仕様」
  • 特徴:保温性、防寒対策に優れた仕上がり

細かい点の違いはありますが、まず難しいことは考えず、「スーツには春夏向けと秋冬向けがある」と覚えておけばOKです。

1-2. 夏用のスーツの選び方

最近では家庭で洗えるウォッシャブル素材を使ったウォッシャブルスーツや体温を下げる機能素材を使ったスーツ、いわゆる夏を涼しく過ごすための機能性スーツの販売が多くなりました。

機能性スーツも魅力的ですが、夏を涼しく快適に過ごすためにはズバリ!「着心地の満足感」で夏用のスーツを選ぶのがベストです。

人によっては洗えるスーツが重宝する方もいらっしゃると思いますが、まず夏の暑さを軽減し、快適な夏を過ごすためのスーツの基本的な選び方としては「試着時の着心地が率直に気持ちいいかどうか」を重視することをおすすめします。

夏向きのスーツで迷ってしまった時は、「着心地に満足しているもの」を選んでみると後々、後悔することが少なくなります。

1-3. 夏に合うおすすめの生地や素材

スーツ姿の印象を決め、スーツ選びの醍醐味でもあるスーツの生地。

こちらでは、暑い夏を涼しく過ごすための夏向きの生地をピックアップし、紹介をしていきたいと思います。

コットン(綿)

天然繊維のコットンは「吸湿性、保湿性、そして通気性に優れた生地」であることが魅力。

優しい肌触りから、夏用のカジュアルジャケットとして定番の生地です。

リネン(麻)

吸水性、発散性に優れ、涼感を感じさせてくれる生地として夏に大人気のリネン。

吸水性は綿の約4〜5倍とも言われ、吸水性はピカイチ。そのしなやかで爽やかな手触りが夏場のカジュアルジャケットとして人気を呼んでいます。

モヘア

モヘアとはアンゴラ山羊から刈り取られる毛を指します。「強い張りとコシ、そして独特の光沢感」がモヘアの特徴。

夏の太陽に反射すると、この独特の光沢が夏らしい「清涼感」を演出してくれます。

シアサッカー

シアサッカー、別名「しじら織り」は青色と白色のストライプで構成される生地で、表面に浮かぶ縞模様が特徴的です。

独特の縞模様により皮膚と生地の接地綿が少ないため、着心地は涼しく、また肌触りも良いので夏にぴったりです。

どちらかといえば、カジュアルよりですので、オフィスカジュアルがOKの人にはぜひおすすめです。

サマーウール

羊毛を細く撚(よ)った、夏向きのウール生地です。シワになりにくく、通気性と清涼感に優れた生地で、さらっとした着心地が特徴です。

ビジネス向きの生地ですので、暑い夏でもビシッとスーツ姿を決めたいという方におすすめです。

ゼニア・クールエフェクト

老舗生地ブランドが手がける生地「クールエフェクト」。

厳しい夏の暑さを避けるためにゼニアが開発した生地です。

生地の染め段階と仕上げ段階で施される特殊なトリートメント効果により、生地の表面温度を約10度近く抑えることができ、外気温が高くても涼しくスーツを着用できるのが魅力。

生地ブランドのトップが手がけることもあり、その柔らかい着心地が盛夏向けのスーツとして人気を読んでいます。

COOL MAX(クールマックス)

クールマックスとは、吸水速乾性に非常に優れた高機能素材の糸です。

その機能糸を使い、ざっくりと織り込んだ生地を使用した通気性が高いスーツは、盛夏向けに重宝されています。

トロピカル素材

トロピカル素材とは、ウールを使って織られた「トロピカルクロス」という生地のこと。

高温多湿の夏でもさらりとした快適な着心地、優れた通気性を誇るトロピカル素材は、まさに夏向けの素材。

クールビズ向けのアイテムの素材に多用されることが多く、カジュアルスタイル向けの素材です。

ジャージー素材

ストレッチ性と軽さが魅力のジャージー素材。肩パットや芯地がない、いわゆる「アンコンジャケット」が主流で、その着心地の良さと手軽さから注目度が上がっています。

一見カジュアルすぎるように見えますが、光沢のあるジャケットであれば、意外と「きっちり感」を演出してくれます。

オフィスカジュアルOKの人にはぜひトライして欲しい素材です。

1-4. 夏を涼しく過ごすための工夫

夏向けのスーツの選び方と生地について知った後は、さらに夏を涼しく過ごすためのちょっとした工夫を紹介していきたいと思います。

夏向けのスーツをさらに涼しくする「プラスαのひと工夫」をチェックしてみてくださいね。

(背抜き仕立て)

  • スーツ 夏
  • スーツ 夏

1-1. 季節ごとに合うスーツの違い」でも触れましたが、「背抜き仕立て」とは、スーツの裏地が肩部分までしかないもの。

背抜き仕様にすることで、通気性が高まり、より涼しい着心地になるため、春夏向けのスーツにおすすめです。

(半裏仕立て)

「半裏仕立て(はんうらしたて)」とは、スーツの裏地の肩部分よりも下にある裏地を省いたもの。

裏地部分が少ないため、軽量で通気性に優れており、特に日本の湿度が高く蒸し暑い夏向けの盛夏スーツに多くこちらの「半裏仕立て」仕様のものが見られます。

正直なところ、背抜き仕立てと半裏仕立てを比較した場合、涼しさははどちらも同じ程度。

しかし、裏地のデザインが異なりますので、好みのものを選ぶのが良いでしょう。

(アンコン仕立て)

「アンコン仕立て」とは、肩パット、スーツの裏地が全くないもの。

肩パットを抜き、裏地部分が全くないため、風通しが良く、またスーツが非常に軽くなるのが特徴です。

アンコンとは
アンコン仕立ての「アンコン」とは、"unconstructed jacket(アンコンストラクテッド ジャケット)"の意味で、通常スーツについている肩パットや裏地などを抜いた「非構築的なジャケット」であることから由来しています。

肩パットが薄いものを選ぼう

  • スーツ 夏
  • スーツ 夏

暑い日が続く場合、熱がこもりやすくなるのが肩周りから脇周り。スーツを脱ぐと脇の部分が汗でびちょびちょに、、、なんて恥ずかしいですよね。

この部分を少しでも涼しくするコツが「肩パットが薄いものを選ぶ」こと。

肩パットが薄いスーツを選ぶことで肩周りから脇周りに熱がこもるのをおさえることができます。

袖を本切羽仕様にしよう

  • スーツ 夏

本切羽(ほんせっぱ)仕様とは、「スーツの袖口がボタンで開く仕様」のことを指します。(別名、本開き仕様とも呼びます)

2〜3つボタンを開け、シャツを折り返す、いわゆる袖まくりスタイルにすれば、手首周りを涼しくすることができます。

芯地の薄いものを選ぼう

通常、目には触れることはありませんが、スーツの表地と裏地の間にはスーツの生地の伸び縮みによる型崩れ防止のために「芯地(しんじ)」という布がはいっています。

型崩れ防止の為に芯地がしっかりしているものは逆に厚みが出てしまい、熱がこもりやすいため、この芯地を薄くする、または薄いものを選ぶことで、胸回りを涼しくすることができます。

夏向けスーツの芯地
最近の夏向けのスーツは、そもそも芯地が大変薄くなってきていますので、「盛夏向けのもの = 芯地が薄い」と覚えていればOKです。

2. シーンに合わせた夏の着こなし

暑い夏でもシーンに合わせた着こなしをするのがビジネスマンのマナーのひとつ。

このチャプターでは就職活動時、通常の仕事時、そして結婚式・結婚式二次会に分け、それぞれマナーを踏まえた夏の着こなし方について紹介をしていきます。

2-1. 就職活動(就活生向け)

  • スーツ 夏

就活中の大学生にとって悩ましいのが夏場の暑さ。一般的な就職活動の場合、リクルートスーツを着用する方がほとんどだと思いますが、暑い夏を乗り切るためには「夏向けのリクルートスーツ」を選ぶのが無難です。

夏になれば、国内の各メーカーでも店舗や公式HPで「涼感スーツ」などのスーツが発売され、品揃えは豊富ですので、まずは試着し、「1-2. 夏用のスーツの選び方」で触れたように「満足する着心地のもの」を探すのが間違いない探し方です。

また就職活動のためだけにスーツを購入するのは長い目で考えた場合、非常にもったいない選び方ですので、店舗スタッフの方へ相談をする時は「就職活動にも使える夏物スーツが欲しい」と相談するのがおすすめです。

参考例として、夏場のスーツの着こなし方も紹介していますので、合わせて参考にしてみてくださいね。

夏場のスーツの選び方・参考例
  • スーツ:リクルートにも使える夏ものスーツ
  • スーツの色:黒色、またはネイビー
  • ボタン数:2つボタン ・ベント:センターベント
  • シャツ:白色 ・下着:ユニクロの「AIRism」など、冷感インナーがおすすめ
  • その他:スーツは1着ではなく、万が一のために2着あると安心です
夏の就活時の着こなし
就活時にご自身のスーツの着こなしを見られるのは、「面接会場、または試験会場」ですので、「できる限り移動中は涼しく過ごす」ことが夏の就活を乗り切るポイント。
 
移動中はジャケットを脱ぎ、シワにならないように腕にかけて移動する、ジャケットは会場近くで羽織る、汗拭きシートを用意する、など心も体も爽やかな状態で本番に臨むための「細かな準備に注意を払えるか」で本番の心のゆとりも変わってきます。
 
夏の就活は着こなし方だけではなく「本番100%の実力を出せるようにはどのような準備が自分に必要か」を考えると良いでしょう。

2-2. 仕事

  • スーツ 夏

日々の仕事でスーツを着用する方は、まず「1-2. 夏用のスーツの選び方」で触れたように「着心地の満足感」で夏向けのスーツを選ぶと良いでしょう。

着心地の満足感で悩んでしまう方は、「1-3. 夏に合うおすすめの生地や素材」でご紹介をしたように「生地別でスーツを試着してみる」のもスーツ選びが楽しくなるのでおすすめです。

夏であればスーツを着用する以上は、どうしても暑くなってしまいますので、機能性インナーを着用し、内から涼しくする工夫がもっとも効果的です。

(機能性インナー紹介) 「エアリズム」(UNIQLO)

価格 990円(税抜)
特徴 薄く、軽く、柔らかな着心地のエアリズム。ストレッチ性、速乾性に優れているため、夏のインナーとしておすすめのアイテムです。
商品HP http://www.uniqlo.com

「BODY COOLER」(セブンプレミアム

価格 990円(税抜)
特徴 優れた通気性と抗菌防臭効果が特徴のBODY COOLER。速乾性に加えて「汗」や「におい」が気になる人へのおすすめインナーです。
商品HP http://www.itoyokado.co.jp

「綿混天竺涼感Vネック半袖シャツ」(無印良品)

価格 1,500円(税込)
特徴 抗菌防防臭加工を施し、吸汗速乾性を追求した無印良品の綿混天竺涼感Vネック半袖シャツ。肌に優しくさらりとした肌触りが特徴のインナーです。
商品HP http://www.muji.net

「ピースフィット」(TOP VALU)

価格 980円(税抜)
特徴 通気性、吸汗速乾性、防臭効果など、夏のインナーに必要な機能をすべて取り入れたピースフィット。速乾インナーとして夏におすすめのアイテムです。
商品HP https://www.topvalu.net

冷感インナーといえば、UNIQLOのAIRismの認知度が高いと思いますが、他社の冷感インナーも見落としてはいけません。(若干ですが、TOP VALUの冷感インナーはAIRismよりも10円安いです!)

スーツと同じようにインナーも人それぞれの好みがありますので、まずは1枚お試しで購入し、自分の好きな着心地のインナーを探しをするのが良いでしょう。

2-3. 結婚式・結婚式二次会

  • スーツ 夏

6月がジューンブランドと呼ばれるように夏のシーズは結婚式などの祝い事が多くなる季節でもあります。

涼しく過ごすコツについては、先ほど触れた「機能性インナー」の着用が最も効果的ですが、着こなし方についても気になりますよね。

特に「結婚式・結婚式二次会」の着こなし方やマナーについては、「今さら聞けないスーツの種類|シーン別の正しい選び方まですべて解説」で紹介をしていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

3. 夏場のスーツのお手入れ方法

汗をかき、汚れがつきやすくなる夏。臭いやシワが目立つとせっかくの着こなしも台無しですよね。

ここでは夏場のスーツのお手入れ方法について紹介をしていきます。

自宅でも手軽にできる方法をピックアップしましたので、スーツを清潔にするために活用してみてくださいね。

3-1. スーツのシワとり

見た目で気になるのがスーツのシワ。自宅でも手軽にできるスーツのシワとり方法を紹介していきます。

用意するもの&お手入れ3ステップ

1.「ブラシ」
2.「霧吹き」
3.「スーツ用の太めのハンガー」

「ブラシでスーツのほこりをとる」

  • スーツ 夏

「ちょっとスーツが湿るぐらい霧吹きをする」

  • スーツ 夏

「太めのハンガーにスーツを掛け、風通しの良いところで干す」(写真よりも大きいハンガーもありますので、そちらでも問題ありません) 

  • スーツ 夏

3-2. 汗じみとり

シワの次に見た目で気になるのがスーツの汗じみ。こちらも自宅で手軽にできるお手入れ方法を紹介していきます。

用意するもの&お手入れ2ステップ
1. 「タオル」
2. 「スーツ用の太めのハンガー」

「水で濡らし、タオルで汗をかいた部分を叩く」(ここのポイントは汗じみ部分を「強く叩く」こと!)

  • スーツ 夏
  • スーツ 夏

「太めのハンガーにスーツを掛け、風通しの良いところで干す」

  • スーツ 夏

※もし、これで汗じみが取れない場合は、クリーニングを出すのが無難です。

(それ以外の場合は、クリーニング自体出すことをおすすめしません。スーツのお手入れの常識では、クリーニングの頻度は月に1度、またはシーズンに1度程度でOKです)

頑固な汗じみの場合には「クリーニングの界の駆け込み寺・ハッピークリーニング」の"アクアドライ"がおすすめですので合わせてチェックしてみてくださいね。

ハッピークリーニング 公式HP

3-3. スーツの臭いとり

スーツの臭いとりは定番ですが「ファブリーズ」のような繊維の消臭効果がある消臭スプレーを使うのが良いでしょう。

  • スーツ 夏

ちょっとお洒落な臭いにしたい方は、臭いをミストでリフレッシュできる「ファブリック・フレッシュ」もおすすめ

その他、国内では特にNY生まれの「THE LAUNDLESS(ザ・ランドレス)」が人気です。もちろん、スプレーをした後は、通気性の良いところで干すのをお忘れなく。

4. まとめ

以上、夏向けのスーツについての紹介はいかがでしたでしょうか。

シーズンごとにあったスーツの知識、夏向きのスーツの選び方や生地と細かなオプションを押さえていれば、暑い夏でもスーツを涼しく着こなすことができます。

さらに臭いやしわとりのお手入れ方法も押さえておけば、より清潔感を保つことができますので、さっそく今日から試してみてくださいね。

夏を快適に過ごすオーダースーツを作ってみる