どんな時にどんな色のネクタイをするべきか、迷ってしまった経験はありませんか?スーツやシャツの着こなしで第一印象の決め手とも言えるネクタイは、印象作りに大きな影響を与えます。
今回はネクタイの「色」にスポットを当てて、それぞれの色が与える印象と、シーン別にベストな色をご紹介いたします。
それぞれの場面でおすすめの色を紹介しているので、目的ごとに自分の印象を上手くコントロールしてみてくださいね。
(※この記事は、2021年1月時点での情報を参考にしています。)
Outline
1. ネクタイ色選びのポイント
1-1. ネクタイをする際のルール
はじめに、ネクタイをする際のルールをご紹介します。
それは、
・ネクタイの長さはベルトにかかるくらいにする
・ネクタイの幅はラペル(ジャケットの下襟)の幅に合わせる
の2つです。
ネクタイをする際のルールとしてこの2点は確実に押さえておいてくださいね。
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1-2. 色が与えるあなたの印象
色は、人の心に無意識的にですが影響を与えます。ここでは、各色が与える印象についてご紹介します。
赤色
赤系のネクタイは、「積極的」「情熱」「行動的」「やる気がある」などの印象を与えます。
青色
青系のネクタイは、「誠実」「冷静」「真面目」「知的」「若い」などの印象を与えます。日本ではビジネスシーンにおいて最も使われている色です。
黄色
黄系のネクタイは、「明るい」「社交的」「元気」「面白い」などの印象を与えます。
緑色
緑系のネクタイは、「安心」「穏やか」「自然体」などの印象を与えます。
ピンク
ピンク系のネクタイは、「優しい」「柔らかい」「温もりのある」などの印象を与えます。
水色
水色系のネクタイは、「爽やか」「若々しい」「自由」などの印象を与えます。
オレンジ
オレンジ系のネクタイは、「親しみやすい」「行動力」「明るい」などの印象を与えます。
紫色
紫系のネクタイは、「芸術的」「堂々としている」「高貴」などの印象を与えます。
茶系のネクタイは、「堅実」「包容力」「落ち着き」などの印象を与えます。
白色
白のネクタイは、「美」「清潔」「純粋」などの印象を与えます。
黒色
黒のネクタイは、「洗練」「クール」「男性的」などの印象を与えます。
1-3. スーツとネクタイの色の合わせ方
ここでは、スーツスタイル全体のコーディネートを考える時に参考になる色と色の相性についてや、「トーン」についてご紹介します。
・ 色と色の相性
上記の図は「色相環(しきそうかん)」と呼ばれるものです。それぞれの色の位置で、色と色との相性を表しています。
両隣と、そのさらにもう一つ隣ぐらいまでに位置する色は「類似色」と呼ばれ、似た色同士なのでまとまりやすくなります。
正反対に位置する色は「補色」と呼ばれます。補色の関係にある色はお互いを目立たせる効果があります。ただし鮮やかな色同士をそのまま合わせるとどぎつい印象になってしてしまうので、濃淡に差をつけたり、間に色を挟んでみたりする工夫が必要です。
・ 明度と彩度
・ 明度
色の明るさの度合いを表します。明度が高いほど明るく、低くなると暗くなります。高くなるほど軽やか、低くなると重厚な印象になります。
・ 彩度
色の鮮やかさの度合いを表します。彩度が高いほどはっきりした色に、低くなると灰色に近づきます。高いとはつらつな、低いと穏やかな印象になります。
上記の図は、「トーン」についてまとめられた図です。トーンとは、明度と彩度による色の印象を表したものです。
それぞれのトーンには人間が共通して感じる、共通したイメージがあります。
例えば
画像一番上の明るく淡いトーンのペールには、
「優しい」「弱々しい」「清らかな」
一番下の暗く濃いトーンのダークグレイッシュには、
「重厚な」「頑固な」「ダンディーな」
一番右の鮮やかなトーンのビビッドには、
「派手な」「はっきりした」「活動的な」
などのイメージがあります。
表現したいイメージを持っているトーンを配色に使うことで、相手に的確なイメージを伝えることができます。
色合わせの理論を使ったスタイルの紹介
類似色を利用した着こなし。トーンの図を見ると、茶色はオレンジに近い色だということが分かります。オレンジと赤は類似色なので、ライトブラウンのスーツと赤系のネクタイが上手くまとまったコーディネートになっています。
こちらは補色を取り入れている着こなし。オレンジに近い茶色は青と補色関係にあるので、相性のいい組み合わせです。
イタリアには「アズーロ・エ・マローネ」(アズーロ=青、マローネ=茶 ”青と茶という意味”)という言葉があり、定番のカラーコーディネートとして知られています。
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2. シーン・シチュエーション別のネクタイの色
ここからは色が与える印象をふまえて、シーンやシチュエーション別におすすめなネクタイの色をご紹介します。
2-1. 就職活動
就職活動で初めて真剣にネクタイを選ぶという方は多いのではないのでしょうか。
面接では、着用しているネクタイでプラスの評価になることはなくても、マイナスの評価になってしまうことはあるので就職活動でのネクタイ選びは重要です。
就職活動ににおいて定番の、「持っておけば間違いない」色は青(紺)系と赤系です。青はどの業界においても使える色で、特に金融業界や公務員などの「堅い」業界から好かれる色です。
赤は自分をアピールできる色として就職活動での定番カラーです。ただ赤は攻撃的なイメージも持っているので、就職活動では暗めの赤を選びましょう。
黄色のネクタイも、活動的でフレッシュな印象を与えられるのでおすすめです。ただ同時にカジュアルな印象も与えてしまうので、クリエイティブ系やアパレル系などの面接の時に使いましょう。
NG
就職活動で使うべきでないネクタイは、黒、白などの冠婚葬祭用のネクタイと、紫や、ピンク、金色など色味が派手なものです。
前者は常識が無い人だと思われてしまいますし、後者はあまりビジネス向けではない色なので使うのは控えましょう。
2-2. 商談
商談の場では相手からの信頼を獲得することがとても重要になります。
そんな商談の場でのおすすめなネクタイの色は青系です。青が与える「信頼感」「誠実」といったイメージを活用して、信頼を勝ち取りましょう。
青以外で商談に使えるおすすめな色は茶色です。茶系のネクタイでも相手に堅実なイメージを与えることができます。
2-3. 新入社員時代
会社に入りたての新入社員の方におすすめのネクタイの色は、暗めの青系や紺、暗めの赤系のネクタイです。
この二つの色のネクタイは、目立ちすぎない色味でかつ、初めの一着として買うであろう紺やグレー系のスーツに合わせやすい色ですので、新入社員時代のネクタイとしてはベストです。
2-4. プレゼンテーション
たくさんの人の前で、自分の主張を伝えなければならないプレゼンテーション時におすすめなネクタイの色は赤系です。
積極的なアピールで、相手に熱意を伝えることができます。 歴代アメリカ大統領が、ここ一番の演説時に赤いネクタイを着用しているのは有名な話です。色が持つ力を効果的に活用しているわけですね。
2-5. 接待・会食
会食や接待では黄色系、オレンジ系のネクタイを使ってみると、スムーズに信頼関係を築くことができるかもしれません。黄色とオレンジにはコミュニケーションを円滑にする効果があります。
ただこれらの色はカジュアルな印象を与えてしまうため、相手の役職や立場によっては落ち着いた色のネクタイを選んだほうがいい場合もあります。その場合は、誰からも好印象な青系が無難でしょう。
2-6. 謝罪
前提として謝罪時には、落ち着いた色味のネクタイをするべきです。
色ですが、青系のものがおすすめです。誠実な印象を与えられることに加え、相手の気持ちを落ち着かせる効果があります。
青系以外では、灰色系のものも使えるでしょう。ただ同系色だからと言ってシルバーのネクタイをするのはやめましょう。
2-7. 仕事に疲れてやる気が出ないとき
ビジネスマンであれば、時には仕事に疲れて会社に行きたくない、そんな日もあると思います。そんな日には色の持つ心理作用を利用してみましょう。赤、黄色、オレンジには、気持ちを前向きにしてくれる力があります。
2-8. 職場でちょっとおしゃれな自分を演出したいとき
紫は個性的な色なので、基本的にはビジネスシーンには適していません。しかしだからこそ、上手く取り入れることができればおしゃれな自分を演出することができます。
ビジネスでは鮮やかな紫よりは、写真右のラベンダーと呼ばれるような淡い紫のものが使いやすいでしょう。
2-9. 合コン・デート
女性受けが良いネクタイの色は、青、紺、水色などの青系と、ピンクのネクタイと言われています。
その中でも編集部のおすすめは水色とピンクのネクタイです。水色とピンクは優しい印象を与えてくれます。
パステルブルーと表現できる「セレニティー」と、パステルピンクと表現できる「ローズ・クォーツ」は2016年のトレンドカラーです。
トレンドカラーのネクタイを取り入れれば、おしゃれに気を使える人として女性に好印象を与えることができるかもしれません。
2-10. 結婚式
結婚式のネクタイですが、失敗したくない人や、会社の同僚として出席するようなときは白やシルバー、グレーのものを選ぶと無難です。
友達として結婚式に出る人や、少しおしゃれなネクタイをしてみたいという方には、パステルカラーのネクタイや、シャンパンゴールドのものがおすすめです。
黒以外のネクタイならば、最近の結婚式では受け入れられつつあります。
こんな色のネクタイもおすすめ
2-11. お葬式
お葬式では、黒無地のネクタイをするのがルールです。いざという時のために、黒のネクタイは必ず1本持っておきましょう。
3. まとめ
以上、ネクタイの色が与える印象と、シーン別にそれぞれおすすめな色をご紹介しました。
色が持つ力を使いこなせれば、ビジネスやプライベートで物事がスムーズに進むようになるかもしれません。
自分が周囲に与えたいイメージに合わせて、毎日ネクタイを選んでみてくださいね。