スーツにはどんなデザインがあり、どんなシーンが合っているのか、悩んだことはありませんか?
ひとつひとつデザインの違うスーツの中から、自分に合ったスーツを選ぶのはとても大変なことですよね。
普段はあまり意識していないかもしれませんが、ひとつひとつのスーツのデザインにはそれぞれに意味やマナーがあります。
そこで今回は、そんなスーツのデザインを解説し、デザインごとにふさわしい着用シーンと着こなしを紹介します。
店頭に並ぶ数多くのスーツの中から自分に合った1着を選ぶときや、オーダースーツを注文するときにきっと役に立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。
(※この記事は、2021年1月時点での情報を参考にしています。)
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1. スーツのデザイン選び|押さえておきたい3つのポイント
皆さんはスーツを選ぶ時に、どのようなことに気を使っていますか?
デザインの良さや、最新のトレンドかどうかなど、様々な要素がありますが、ここではスーツのデザインを選ぶ際にまず最初に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
パーツ別のデザインの解説を先に見たい方は「3. パーツ別|違いがわかるスーツのデザイン解説11選」をご覧ください。
1-1. 着用シーンを意識する
スーツのデザインを決める際に、まず最初に押さえておきたいのは「着用シーン」です。
着用シーンは大きく分けて、
- ビジネスシーン
- 冠婚葬祭
の2つがあり、自由に着こなせるプライベートを除いて、クールビズOKの職場からお葬式や結婚式まで、それぞれのシーンに合った着こなしが求められます。
「どのようなシーンでスーツを着るのか」、「どのような着こなしをしたいのか」をしっかりとイメージしてからデザインを選ぶようにしましょう。
シーン別のデザインや着こなしが知りたい方は、「4. シーン別|おすすめの定番デザイン6選」をご覧ください。
1-2. 着心地を考える
スーツのデザインを選ぶポイントの2つ目は、「着心地を考える」です。
スーツのデザインの中には、「3-4. ベント」や「3-9. タック(パンツ)」のように、デザイン性だけでなく機能性も併せ持ったものがあります。
「1-1. 着用シーンを意識する」で述べたように、着用シーンを考慮して相手に失礼のないようにすることがスーツのデザイン選びにおいて大切ですが、動きやすさや着心地も仕事のパフォーマンスに影響を与える重要なポイントです。
自身の体型や自分らしい着こなしを考慮に入れて、快適な着心地を得られるデザインを選びましょう。
1-3. 予算と相談する
スーツのデザインを選ぶポイントの最後は、「予算と相談する」です。
スーツのデザインには、既定の価格内で選択できる標準デザインと、好みやこだわりに応じて追加料金を支払って選ぶオプションデザインの2つがあります。
どれが標準で、どれがオプションなのかは、それぞれのブランドによって異なりますが、「ハンドステッチ」や「本切羽」などのひと手間かけたディテールや、より上質な素材を使ったデザインなどが有料オプションになることが多いようです。
そのため、「着用シーン」や「着心地」に合ったデザインを、「予算」に応じて選びましょう。
2. パーツ別|違いがわかるスーツのデザイン解説11選
スーツのデザインを選ぶポイントは押さえたので、ここからは具体的にどんなデザインがあるのかを見ていきましょう。
「1. スーツのデザイン選び|押さえておきたい3つのポイント」で述べた、
- 着用シーン
- 着心地
- 追加料金の有無
の3つのポイントを中心に説明しているので、ぜひデザイン選びの参考にしてみてください。
2-1. シルエットを決める|フィット感
「フィット感」は、パンツやウエストの絞り込みや丈の長さなど、スーツを着た時のシルエットを決めるデザインパーツです。
- スリムフィット
- スタンダードフィット
の2つがあり、「スリムフィット」は、すっきりとした現代的なシルエットが特徴で、「スタンダードフィット」は、時代に流されない普遍的なシルエットが特徴です。
それでは、詳しく説明していきます。
- スリムフィット
ウエスト、アーム、パンツの裾幅を詰めた、細身のシルエットが特徴の「スリムフィット」。
スリムフィットスーツは、若々しくエネルギッシュな印象を与えるため、営業や就職活動など、自分をアピールしたいシーンに最適です。
【こんな方におすすめ】
- スーツをスタイリッシュに着こなしたい方
- 結婚式などのパーティー用のスーツが欲しい方
【主な着用シーン】
ビジネス、就職活動、結婚式、結婚式二次会
- スタンダードフィット
伝統的なスーツのスタイルを大切にした、ゆったりとした品格のあるシルエットが特徴の「スタンダードフィット」。
時代やトレンドに流されない普遍的なデザインが魅力で、年齢・シーンを問わず広く着用することができる定番のスタンダードモデルです。
【こんな方におすすめ】
- 幅広いシーンで着用できるスーツが欲しい方
- 長く使えるスーツが欲しい方
- 品格のあるトラディショナルスタイルを大切にしたい方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
フォーマルウェアとしての伝統を受け継ぐスタンダードフィットの魅力は、シンプルに着こなすことで引き立ちます。
重要な会合や親族の結婚式など、マナーや信頼感を大切にしたいシーンでは、スタンダードフィットを基本に忠実に着こなすのがおすすめです。
2-2. スーツの印象が決まる|ジャケットボタン
「ジャケットボタン」は、ジャケット前面の重ね合わせ部分のボタンスタイルのことです。
ボタンの数やボタン列の数によって、主に、
- 1つボタン
- 2つボタン
- 3つボタン(段返り)
- ダブルブレスト
の4つのタイプに分けられ、定番のスタンダードモデルである2つボタンや、フォーマルな1つボタンなど、好みや着用シーンに合わせてジャケットボタンを選ぶことができます。
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
- 1つボタン
前面にボタンが1つだけ付いている「1つボタン」。
タキシードやモーニングコートなど、格式が高いスーツに使われる、最もフォーマルなボタンスタイルです。
しかし、Vゾーンの開きが大きく、とてもドレッシーなデザインであるため、ビジネスシーンには不向きですので避けましょう。
【こんな方におすすめ】
- フォーマルなスーツが欲しい方
- 結婚式などのパーティー用のスーツが欲しい方
【主な着用シーン】
結婚式、結婚式二次会、お葬式
1つボタンは、最もフォーマルなボタン数と言われているので、礼服にぴったりです。
友人の結婚式や、突然のお通夜やお葬式の際など、あらゆるフォーマルシーンに着回しできるスーツを1着用意してみてはいかがでしょうか?
礼服について詳しく知りたい方は、「礼服とスーツの違い|少ない機会だからこそ知っておきたい礼服の種類とマナー」をご覧ください。
- 2つボタン
ビジネスマンに最も多く着用されているスタンダードモデル。
着用シーンや時代に左右されない普遍的なデザインでもあるため、初めてのスーツを購入する方や、ベーシックな1着を探している方は、2つボタンを選べば間違いがありません。
上のボタンだけを留めて、下のボタンは外しておくのが正しい着こなしです。
【こんな方におすすめ】
- 幅広いシーンで着用できるスーツが欲しい方
- 長く使えるスーツが欲しい方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
2つボタンは、適度に開いたシャープなVゾーンが特徴です。
そのため、スタンダードでありながらも、ネクタイやワイシャツとの組み合わせにこだわった、さまざまな着こなしを楽しめます。
- 3つボタン(段返り)
2つボタンと並んで、ビジネスシーンでよく使われる定番モデル。
3つボタンの中で、第1ボタンのボタンホールがスーツの下襟(ラペル)の折り返し部分にかかっているものを「段返り」と呼びます。
2つボタンと同様に、シーンを問わずに着用でき、3つボタンのまじめで誠実な印象を残しつつ、2つボタンのシャープでスマートな印象も与えるのが魅力です。
一番上のボタンを外し、真ん中のボタンだけを留めるのが正しい着こなしとなっています。
【こんな方におすすめ】
- 幅広いシーンで着用できるスーツが欲しい方
- 長く使えるスーツが欲しい方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
段返りの特徴は、ふんわりと盛り上がった美しいラペルの折り返し部分にあります。
そのため、2つボタンと比べてVゾーンに立体感があり、印象的で個性のある着こなしが楽しみたいという方におすすめします。
- ダブルブレスト
スーツ前面にボタンが2列並んでいるボタンスタイル。
上着の打合せ部を大きく重ね合わせるのでVゾーンが締まり、フォーマルな印象を与えるデザインです。
シングルスーツとは違った印象を与えるので、着こなしの幅を広げたいと考えている方におすすめです。
※オーダースーツを作る際には、追加料金が必要になることがあります。
【こんな方におすすめ】
- 格式を求められるシーンにふさわしいスーツが欲しい方
- スーツの着こなしの幅を広げたい方
【主な着用シーン】
ビジネス、結婚式、結婚式二次会、お葬式
いま、クラシック回帰の流れの中で、ダブルブレストに再び注目が集まっています。
その着こなしのポイントは、フィット感。
体にフィットしたダブルブレストで、シングルスーツとは一味違った、スタイリッシュなスーツの着こなしを楽しんでみてはいかがでしょうか?
2-3. 「スーツの顔」|ラペル(下襟)
「ラペル(下襟)」は、「カラー(上襟)」の下に続くスーツ前面の折り返し部分のことで、「スーツの顔」とも呼べるデザインパーツです。
ラペルの幅は、トレンドやスーツのフィット感に合わせて選びます。
最新のトレンドを取り入れたスリムフィットスーツには、幅の狭いスリムなラペルがよく合い、スタンダードフィットスーツには、レギュラーサイズのラペルが使われます。
定番のラペルの形には、
- ノッチドラペル
- ピークドラペル
の2つがあります。
それでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。
- ノッチドラペル
カラーとラペルの縫い合わせ部分(ゴージライン)にV字の切り込みが入っている、最も一般的でオーソドックスなラペル。
ビジネススーツのほとんどはノッチドラペルであり、ビジネスシーンから冠婚葬祭まで、様々なシーンに着回せます。
【こんな方におすすめ】
- ビジネス用のスーツを探している方
- 幅広いシーンで着用できるスーツが欲しい方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
ラペルの幅を、スーツのフィット感と合わせることが、ラペルを美しく見せるポイントです。
スリムフィットスーツに、幅の狭いスリムなラペルを合わせることで、すっきりとしたスタイリッシュな着こなしが完成します。
- ピークドラペル
ラペルの先端が上に向いているのが特徴。
ダブルブレストやフォーマルなスーツに使われることが多く、華やかでドレッシーな印象を与えるデザインです。
そのため、ビジネスシーンでの着用は避けた方が無難です。
【こんな方におすすめ】
- フォーマルなスーツが欲しい方
- 結婚式などのパーティー用のスーツが欲しい方
【主な着用シーン】
結婚式、結婚式二次会
結婚式などのパーティーシーンには、ピークドラペルがぴったりです。
ぐっと華やかさを引き立てるドレッシーなピークドラペルで、お祝いの席でのおしゃれを思い切り楽しみましょう。
2-4. バックスタイルを演出する|ベント
「ベント」は、ジャケット後ろの裾に入った切れ込みのことです。
着心地や動きやすさを向上させるために作られたデザインパーツで、スーツ着用時のバックスタイルを決定します。
切り込みの有無や位置によって、
- センターベント
- サイドベンツ
- ノーベント
の3つに分けられます。
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
- センターベント
ジャケット後ろの裾の中央部に1つだけ切り込みが入ったタイプ。
乗馬の際に、ジャケットの裾が引っかかってシワができるのを防ぐために作られたもので、別名「馬乗り」とも呼ばれます。
スポーティーですっきりとしたバックスタイルが特徴で、着丈の短いジャケットや、スリムなパンツとの相性がいいデザインです。
一方で、ダブルブレストスーツにはあまり使用されません。
【こんな方におすすめ】
- オーソドックスなビジネススーツを探している方
- すっきりとスタイリッシュにスーツを着こなしたい方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
センターベントの魅力は、すっきりとした美しいバックスタイルです。
後ろ姿にもこだわった、スマートな着こなしを楽しみたい方は、センターベントの入ったスリムフィットスーツでスタイリッシュに決めましょう。
- サイドベンツ
ジャケット後ろの裾に、左右に切れ込みを1本ずつ入れたタイプ。
腰に差した剣がきれいに収まるように作られたもので、別名「剣吊り」とも呼ばれます。
裾に少し広がりができるため動きやすく、ツータックなどのゆったりとしたパンツとの相性がいいデザインです。
一方で、着丈の短いジャケットで使用すると、ベンツが横に広がってしまい、見栄えが良くないので気をつけましょう。
【こんな方におすすめ】
- スーツの動きやすさを重視したい方
- ゆったりとしたクラシックスタイルが好きな方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
体が大きい方やお尻の大きい方には、サイドベンツがおすすめです。
サイドベンツは、ジャケットの裾に適度な幅があるため、お尻の大きさや腿の太さをうまくカバーした、まとまりのあるきれいなバックスタイルになります。
- ノーベント
ジャケット後ろの裾に切れ込みがないタイプ。
動き回ることを想定していないデザインのため、タキシードや礼服などに使われるフォーマルなデザインです。
ビジネススーツに使われることはほとんどありません。
【こんな方におすすめ】
- 礼服やフォーマルスーツを探している方
- 結婚式などのパーティー用のスーツが欲しい方
【主な着用シーン】
結婚式、結婚式二次会、お葬式
「3-2. スーツの印象が決まる|ジャケットボタン」で紹介した1つボタンと共に、ノーベントは最もフォーマルなデザインパーツです。
礼服やフォーマルスーツを購入する際には、ノーベントのように、スーツのデザインもフォーマルな場にふさわしいものを選ぶようにしましょう。
2-5. ジャケットのアクセント|ポケット
「ポケット」は、ジャケット前面の腰の位置に付けられ、ラペルと共にスーツの印象を決めるデザインパーツです。
その形状の違いによって、
- ノーマルポケット
- スランテッドポケット
- チェンジポケット
- パッチポケット
の4つに分けられます。
それでは、詳しく見ていきましょう。
- ノーマルポケット
水平にポケットが付いた最もオーソドックスなタイプ。
どんなスーツにも合わせられる、シンプルで使い勝手のいいデザインで、フォーマルなシーンには最も適したポケットです。
【こんな方におすすめ】
- 幅広いシーンで着用できるスーツが欲しい方
- シンプルで正統なスーツの着こなしをしたい方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
ノーマルポケットは、その名の通り、普遍的なデザインのオーソドックスなタイプのポケットです。
しかし、シンプルだからこそ、誠実でまじめな印象を与えることができるので、就職活動中の方には、ノーマルポケットをおすすめします。
- スランテッドポケット
ポケットに少し傾斜がついたタイプ。
体型をよりスタイリッシュに見せてくれるデザインで、フォーマルからビジネスまで、シーンを選ばずに使えるのが魅力です。
【こんな方におすすめ】
- 幅広いシーンで着用できるスーツが欲しい方
- スーツをスタイリッシュに着こなしたい方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
スランテッドポケットは、ノーマルポケットと比べてデザイン性の高いポケットです。
そのため、スリムフィットスーツや光沢のある生地との相性が良く、よりスタイリッシュな印象を与えます。
- チェンジポケット
ノーマルポケットの上に、小銭やチケットを入れるための小さなポケットを付けたクラシックなタイプ。
腰ポケットの位置が高くなるので、脚長効果が期待できます。
ノーマルポケットと比べてデザイン性が高いため、結婚式やお葬式などのかしこまった場や就職活動での着用には注意が必要です。
また、型崩れの原因になるので、ポケットには何もいれないことをおすすめします。
※オーダースーツを作る際には、追加料金が必要になることがあります。
【こんな方におすすめ】
- デザイン性の高い、個性的な着こなしをしたい方
- クラシックスタイルが好きな方
【主な着用シーン】
ビジネス、結婚式二次会
チェンジポケットは視覚効果によって視線を上に向けるので、同じようなデザイン特性を持つ段返りとの相性がいいと言われています。
また、ボタンや胸ポケットの位置が高いときは、バランスをとってチェンジポケットを使用することをおすすめします。
- パッチポケット
ジャケットの上にポケットを張り付けたタイプ。
カジュアルなデザインであり、ジャケパンスタイルで使われるジャケットに多く見られます。
ビジネスやフォーマルシーンでの着用は避けましょう。
【こんな方におすすめ】
- クールビズなど、オフィスカジュアル用のジャケットを探している方
- ジャケパンスタイルが好きな方
【主な着用シーン】
ビジネス(オフィスカジュアル)、結婚式二次会
ジャケットは、羽織るだけであなたをぐっと男らしく演出します。
プライベートでもジャケットを着こなして、おしゃれを楽しみたいという方には、親しみやすさを感じさせるパッチポケットのジャケットがおすすめです。
2-6. なめらかな着心地を手に入れる|ジャケット裏地
「ジャケット裏地」は、腕を通した時の滑りなどの着心地を向上させ、ジャケットの傷みと汚れを軽減するために付けられます。
使われる素材は大きく分けて、
- キュプラ
- ポリエステル
の2つがあります。
それでは、それぞれの素材の特徴を見ていきましょう。
- キュプラ
綿花くずを原料とする再生繊維。
絹に近い美しい光沢があり、肌触りがとても良く、吸湿性に優れているため、夏でも不快感がないのが特徴です。
ポリエステルに比べると、若干高額で、耐久性に劣ります。
【こんな方におすすめ】
スーツの着心地を重視する方
- ポリエステル
石油を原料とする合成繊維。
安く、耐久性に優れ、発色がいいことが特徴です。
しかし、吸湿性に劣り、静電気が発生するなど、着心地を求める方には不向きです。
【こんな方におすすめ】
コストパフォーマンスを重視する方
ジャケット裏地の色やデザインは、外からは見えないのですが、その分、最も個性を発揮できる場所です。
スーツ生地の色と似た色の裏地を選ぶのが良いとされていますが、赤などの明るい色や、ストライプ柄などを組み合わせて、おしゃれを楽しんでみるのもいいかもしれません。
2-7. 自分だけのオリジナル|ネーム刺繡
「ネーム刺繍」は、ジャケットの胸内側に入れられるもので、宴会の時などに、自分のスーツが間違われないように付けられます。
名前やニックネームだけでなく、好きな言葉も自由に入れられるので、自分だけの特別な1枚にぴったりの遊び心あるネーム刺繍を入れてみてはいかがでしょうか。
※追加料金が発生することがあります。
【こんな方におすすめ】
自分だけの特別なスーツが欲しい方
2-8. 足元を彩る|カフス(パンツ)
「カフス(パンツ)」は、パンツ裾の仕上げのデザインのことです。
- ノーマル(シングル)
- ダブル
の2つがあり、折り返しの有無や裾の長さの調整によって足元の印象を作っていきます。
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
- ノーマル(シングル)
裾を内側に折り返して、折り目を隠したタイプ。
フォーマルなデザインであるため、正装であるタキシードや礼服にはノーマルカフスが使われます。
ビジネスにもフォーマルにも着回せる、オーソドックスなタイプのカフススタイルです。
【こんな方におすすめ】
- 幅広いシーンで着用できるスーツが欲しい方
- 礼服を探している方
- すっきりとスーツを着こなしたい方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
スリムフィットスーツには、すっきりとした足元を演出するノーマルタックがおすすめです。
その際に気をつけたいのが裾の長さ。
裾丈を短めにして、余計なたるみを抑えることが、スリムフィットスーツをより上品に美しく着こなすポイントです。
- ダブル
裾を外側に折り返したタイプ。
ビジネスシーンに多く見られるデザインで、折り返しの重みでピンと伸びた美しいシルエットが魅力です。
デザイン性が高いため、ジャケパンスタイルとの相性がいい一方で、親族の結婚式やお葬式などのかしこまった場での着用には注意が必要です。
【こんな方におすすめ】
- ビジネススーツが欲しい方
- ジャケパンスタイルが好きな方
【主な着用シーン】
ビジネス、就職活動、結婚式二次会
ダブルカフスの魅力はそのデザイン性の高さです。
スポーティーで存在感のあるデザインがアクセントとなって、スーツの足元を彩ります。
シンプルにまとまりがちなスーツのパンツにも、個性やこだわりを持ちたいという方には、ダブルカフスをおすすめします。
クッションは、パンツの裾が靴の甲にあたってできる「たるみ」のことで、パンツの着こなしのポイントのひとつ。
ワンクッション
裾が甲に乗っかり、一折り(クッション)がしっかりできる長さ。
裾幅の広いシングルにおすすめです。
ハーフクッション
裾が甲に触れ、少しの「たるみ」ができる長さ。
ビジネススーツで最も多く採用されており、シングル・ダブルどちらとも相性が良いです。
ノークッション
裾が甲にあたらないショート丈。
裾幅の狭いシングルやダブルにおすすめです。
2-9. ゆとりと装飾を加える|タック(パンツ)
「タック(パンツ)」は、パンツ前面に入れるヒダ(プリーツ)のことで、パンツに動きやすさと装飾を加えるためのデザインパーツです。
タックは、その数によって、
- ノータック
- ワンタック
- ツータック
の3つに分けられます。
それでは、それぞれについて見ていきましょう。
- ノータック
タックが入らないタイプ。
すっきりとスマートに決まるので、細身のスーツを着こなしたい方や、若い世代ではノータックパンツが主流となっています。
ノータックは、ややカジュアルな印象を与えるデザインですので、大切な会合などのビジネスシーンや、冠婚葬祭で着用する際には注意が必要です。
【こんな方におすすめ】
- スーツをスタイリッシュに着こなしたい方
- スリムフィットスーツが好きな方
- 細めの体型の方
【主な着用シーン】
ビジネス、就職活動、就職活動、結婚式二次会
ノータックは、すっきりとしたスタイリッシュな着こなしが魅力ですが、その分、体のラインがはっきり出てしまうことがあります。
そのような着こなしは相手に不快感を与えることがあるので、ノータックパンツを着用する際には少し余裕のあるサイズを選ぶようにしましょう。
- ワンタック
左右に1本ずつタックが入ったオーソドックスなタイプ。
タックがエレガントな印象を与え、パンツの腰回りに適度なゆとりを生むため、フォーマルさと動きやすさを両立したバランスのいいデザインとなっています。
ウエストに余裕があるので、腰回りががっちりした方や、お尻が大きい方におすすめです。
【こんな方におすすめ】
- 幅広いシーンで着用できるスーツが欲しい方
- フォーマルなスーツが欲しい方
- がっちり体型の方
【主な着用シーン】
どんなシーンでもOK
古いと思われることもあるワンタックパンツですが、近年では、クラシックでゆったりとしたそのデザインが再評価されつつあります。
エレガントな装飾性が魅力のワンタックパンツで、落ち着きのある大人なスーツの着こなしを楽しんでみませんか?
- ツータック
左右に2本ずつタックが入ったタイプ。
腰回りに余裕があるため、ゆったりとした着こなしができるので、身体が大きな方におすすめです。
また、ウエストの高いクラシカルなパンツとの相性が良く、フォーマルな印象を与えます。
日本ではあまり見られませんが、ヨーロッパでは人気のあるパンツのデザインです。
【こんな方におすすめ】
- フォーマルなスーツが欲しい方
- 太めの体型の方
【主な着用シーン】
ビジネス、結婚式、結婚式二次会、お葬式
ツータックはとても装飾性の高いフォーマルなデザインです。
そのため、親族の結婚式やお葬式など、格式や厳格なマナーを求められるシーン用にフォーマルなスーツを探している方にはツータックがおすすめです。
2-10. 長くきれいに使う|ツーパンツ
ジャケットと比べて痛むのが早いパンツですが、購入時に2つパンツを作ってもらえば安心です。
オールシーズン使えるスーツを購入するときや、スーツを長く使いたいときなど、パンツを2本使うことで傷みを抑え、きれいな状態を維持し長く着用することができます。
【こんな方におすすめ】
長くスーツを愛用したい方
2-11. 細部へのこだわり|オプション
ここでは、様々なデザインオプションをまとめて紹介していきます。
いつものスーツスタイルにエレガントなアクセントを加えるものから、あると便利な機能まで、欲しいオプションをぜひ見つけてください。
※オプションデザインには、基本的に追加料金が必要です。
- ハンドステッチ
上襟やラペルなどの縁に施される手縫い風のステッチ。使用されるミシンの名にちなんで「AMFステッチ」とも呼ばれます。
- 手縫いの風合いを生かした高級感がある
- 縁をステッチで押さえることで、上襟やラペルなどをきれいに保つことができる
ことが特徴で、ステッチの色やピッチを変えることで、スーツにデザインのアクセントを加えることができるのが魅力です。
- 本切羽(袖口本開き)
開閉可能なジャケットの袖口の仕様。
袖口の長さの調整が難しく、技術を要するため、オーダースーツなどの高級なスーツならではのデザインディテールと言えるでしょう。
- クラシックで高級感がある仕立てであること
- ボタンを外すなど、遊び心のある着こなしができること
が特徴で、細部にこだわったスーツの着こなしを楽しみたい方におすすめです。
ちなみに、既製品のスーツのほとんどは、実際にはボタンホールの空いていない飾りボタンを使った仕様になっています。
- 水牛ボタン
水牛の角や骨から作られたボタン。
天然の素材なので、ひとつひとつ微妙に風合いや模様が異なり、最も高級なボタンのひとつと言われています。
- 天然素材ゆえの自然な色と柄
- 耐久性があり、長く使っても変色がないこと
が特徴で、ウール素材のスーツとの相性が特によく、凛とした落ち着きを与えます。
- ボタンホール色指定
袖口のボタンホールの色を選ぶことができます。
生地に合わせてボタンホールの色を変えることで、個性を出しつつ、さりげなくおしゃれを楽しむことができます。
- 背抜き
ジャケット背部の裏地が、肩の部分以外の下2/3ほどがカットされた仕様。
裏地がカットされていないものは「総裏」と呼ばれます。
背抜きは、
- 通気性が良く、涼しい
- 軽く、体にフィットする
ことが特徴で、春から秋にかけての暖かいシーズンと、クールビズ用のスーツにおすすめです。
- プリーツセット加工
パンツの折り目(プリーツ)を、半永久的に消えないようにする加工。
センターラインの折り目(センタークリース)をはっきりきれいに保つことが、パンツの美しさを引き立てる重要なポイントです。
手入れの行き届いたスタイリッシュな着こなしを楽しみたい方は、試してみてはいかがでしょうか。
- サスペンダーボタン
サスペンダーを取り付けるためのボタンを取り付けます。
クリップ式のサスペンダーもよく見られますが、パンツの生地を傷めてしまうため、サスペンダーを使用するのならボタン式をおすすめします。
サスペンダー着用のメリットは、
- センタークリースがきれいに見える
- パンツ裾のクッションをサスペンダーの長さを変えることで調整できる
ことの2つで、すっきりとしたスーツの着こなしをしたい方におすすめです。
- サイドアジャスター
パンツの腰回りを調節するために取り付けられるアジャスター。
ベルトをしないでパンツを着用する仕様で、3つ揃えスーツなど、本来ベルトをせずに着用するスーツなどに採用されています。
3. シーン別|おすすめの定番デザイン6選
ここまでスーツの様々なデザインパーツの解説をしてきました。
それぞれのデザインの持つ意味やマナーがわかったと思いますが、選択肢が多いので何を選べばいいのか悩んでしまう方もいらっしゃるかと思います。
そこで、ここからは、シーン別のおすすめ定番スーツデザインを紹介したいと思います。
定番のスタンダードなデザインを紹介していますので、ぜひスーツのデザイン選びの参考にしてください。
3-1. ビジネスシーン
【ジャケットボタン】2つボタン
【ラペル】ノッチドラペル
【ベント】センターベント、サイドベンツ
【カフス(パンツ)】シングル
【タック(パンツ)】ノータック、ワンタック
ビジネスシーンにおけるスーツのコーディネートのポイントは、「堅く、シンプルにまとめること」です。
そのため、個性を出すことより、ビジネスマナーをしっかり押さえた信頼感のある落ち着いた着こなしを心がけましょう。
「ビジネススーツのマナー|恥をかく前に知っておきたいルールを解説」
3-2. ビジネスシーン(カジュアルOK)
【ジャケットボタン】2つボタン
【ラペル】ノッチドラペル
【ベント】センターベント、サイドベンツ
【カフス(パンツ)】シングル、ダブル
【タック(パンツ)】ノータック
オフィスカジュアルOKの職場においては、あまり堅くならない着こなしを心がけましょう。
ノークッションのショート丈パンツカフスや、パッチポケットなど、さりげなく遊び心のあるデザインを取り入れたコーディネートがおすすめです。
3-3. 就職活動
【ジャケットボタン】2つボタン、3つボタン
【ラペル】ノッチドラペル
【ベント】センターベント、サイドベンツ
【カフス(パンツ)】シングル
【タック(パンツ)】ノータック
就職活動におけるスーツのコーディネートのポイントは、「清潔で、誠実な着こなしをすること」です。
クラシックでまじめな印象を与える3つボタンスーツを、スリムフィットジャケットやノータックパンツで爽やかに着こなしましょう。
「リクルートスーツとビジネススーツの4つの違い|はじめの一着を選ぶ前に知っておくこと」
3-4. 結婚式
【ジャケットボタン】1つボタン、2つボタン、ダブルブレスト
【ラペル】ピークドラペル
【ベント】ノーベント
【カフス(パンツ)】シングル
【タック(パンツ)】ワンタック、ツータック
結婚式におけるスーツのコーディネートのポイントは、「シンプルにまとめて、少しの華やかさを加えること」です。
フォーマルな席にぴったりの1つボタンスーツや、ダブルブレストがおすすめですが、3つボタンはやや硬い印象を与えるので注意しましょう。
また、お祝いの席である結婚式には、華やかさのあるピークドラペルをぜひ試してみてください。
「結婚式のスーツ選び|お祝いの日にふさわしい着こなしのコツ」
3-5. 結婚式二次会
【ジャケットボタン】1つボタン、2つボタン
【ラペル】ピークドラペル、ノッチドラペル
【ベント】センターベント、サイドベンツ
【カフス(パンツ)】シングル、ダブル
【タック(パンツ)】ノータック
結婚式二次会におけるスーツのコーディネートのポイントは、「緩すぎず、堅すぎず」です。
基本的に結婚式二次会のスーツマナーは厳しくないので、スタイリッシュに決まるチェンジポケットや、華やかなピークドラペルをアクセントに使っておしゃれを楽しみましょう。
3-6. お葬式
【ジャケットボタン】2つボタン、3つボタン、ダブルブレスト
【ラペル】ピークドラペル、ノッチドラペル
【ベント】ノーベント
【カフス(パンツ)】シングル
【タック(パンツ)】ワンタック、ツータック
お葬式には、礼服か、装飾のないブラックスーツを着用して行くようにしましょう。
スリムフィットスーツやノータックパンツなどのスタイリッシュな着こなしは、場違いになることがあるので避けた方が無難です。
「お葬式の礼服|親族にダメ出しされない服装マナーを解説」
4. まとめ
いかがでしたか?
すべてのスーツのデザインにはそれぞれの意味とマナーがあります。
これからスーツを購入する方も、会社や冠婚葬祭に着て行くスーツを探している方も、この記事を参考にして、シーンにぴったりのスーツを選んでください。
スリムフィットの一番の魅力は、相手に好印象を与える、誠実でスタイリッシュな着こなしです。
そんな着こなしのポイントは、フィット感。
自分の体に程よくフィットした清潔感のある着こなしで、スタイリッシュに決めましょう。