「ビジネスシーンでこの襟のワイシャツは使えるのかな・・・」
「結婚式二次会には、どんなワイシャツを着ていけば良いのだろう?」
多くのデザインがあるワイシャツの中で、着用シーンに合ったものを選ぶのは大変ですよね。
そこで今回は、ワイシャツのデザイン選びのポイント、パーツごとに特徴やふさわしい着用シーンを解説、そして最後に、おすすめのワイシャツデザインをご紹介します。
店頭に並ぶワイシャツ選び、または、オーダーシャツを注文する際の手引きとして、ぜひ、この記事を活用してくださいね。
(※この記事は、2021年1月時点での情報を参考にしています。)
Outline
1. ワイシャツのデザイン選び|押さえておきたい3つのポイント
このチャプターでは、ワイシャツのデザイン選びの際、押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。
パーツ別のデザイン解説を先に見たい方は「3. パーツ別|知っておきたいワイシャツのデザイン解説6選」をご覧ください。
1-1. 着用シーンを考える
まず、ワイシャツの「着用シーン」とは、
・ビジネス
・プライベート
・フォーマル(冠婚葬祭)
の3つに分けることができます。
プライベートシーンに関しては自由度が高く悩むことは少ないですが、デザインによっては、ビジネスシーンや冠婚葬祭などのフォーマルシーンではNGのものがあります。
ワイシャツのデザインにこだわったとしても、希望するシーンでは使えない、なんてことは避けたいですよね。
そのため、どのようなシーンで着用するのか、事前にきちんとイメージしておくことが、ワイシャツのデザイン選びの最優先事項となります。
1-2. 予算を決めておく
次に、ワイシャツのデザイン選びで押さえておきたいのが、「予算」を決めておくことです。
ワイシャツのデザインには、既定の価格内で選択できる標準デザインと、好みやこだわりに応じて追加料金を支払って選ぶオプションデザインの2つがあります。
ワイシャツのデザインパーツは、バリエーションが豊富で、ついつい目移りしてしまいます。
気付けば、追加料金がかかり過ぎて、ご自身の負担が想像以上に重くなることもあります。
そのため、しっかりと予算を決めた上、その範囲内でデザイン選びを楽しんでくださいね。
1-3. デザインパーツをしっかりと知る
最後に、ワイシャツのデザイン選びで押さえておきたいのが、「それぞれのデザインパーツの特徴や着用におけるマナーを知ること」です。
「1-1. 着用シーンを考える」でご紹介した通り、ワイシャツのデザイン選びの最初のポイントは、「ワイシャツをどのようなシーンで着用するのか」事前にきちんとイメージしておくことです。
つまり、それぞれのデザインの特徴や着用におけるマナーを知ることで、事前にイメージしていたシーンに合わせたデザインを具現化することができるわけです。
また、デザインパーツを知っておけば、自分の体型や好みに合わせたデザインをしっかり選ぶことができます。
そんなデザインパーツに関して、次のチャプターから解説していくので、ぜひ、ご覧ください。
2. パーツ別|知っておきたいワイシャツのデザイン解説6選
このチャプターでは、パーツ別に知っておきたいワイシャツのデザインを解説します。
「1. ワイシャツのデザイン選び|押さえておきたい3つのポイント」でご紹介した
・おすすめの着用シーン
・追加料金の有無
というポイントを押さえつつ解説するので、ぜひ、ワイシャツのデザイン選びの参考にしてくださいね。
2-1. シルエットを決める|フィット感
「フィット感」とは、ワイシャツを着た際のシルエットを決めるデザインパーツです。
・スタンダードフィット
・スリムフィット
の二種類があります。以下で詳しく解説します。
・スタンダードフィット
スタンダードフィットは、トレンドに左右されない、自然とフィットしたシルエットです。
全体に適度な余裕があり、長く着ていても着疲れしません。
そんなベーシックなシャツスタイルだからこそ、プライベートからフォーマルまで、あらゆるシーンで活用できます。
【こんな方におすすめ】
・幅広いシーンで着用できるワイシャツが欲しい方
・着心地の良い1着が欲しい方
【おすすめの着用シーン】
どんなシーンでもOK
・スリムフィット
スリムフィットは、アームやウエスト部分を程よくスリムにした、細身のシルエットが特徴です。
トレンドを意識した現代的なデザインを求める方に、ぜひ、おすすめです。
ただ、スリムにし過ぎると、「体を動かしづらい」といったパフォーマンスに悪影響を及ぼしてしまうことがあるので、注意が必要です。
また、ビジネスからフォーマルまで幅広いシーンに対応できますが、トレンド感が強いので、目上の方との会合や冠婚葬祭の雰囲気によっては着用を控えた方が良いです。
【こんな方におすすめ】
・スタイリッシュな着こなしをしたい方
・パーティーなど華やかなシーンで着用したい方
【おすすめの着用シーン】
ビジネス、プライベート
スリムフィットの着こなしのポイントは、フィット感です。
自分の体に程よくフィットした清潔感のある着こなしで、スタイリッシュに決めましょう。
2-2. ワイシャツの「顔」|襟
襟は、ワイシャツの印象を決定付けるパーツといって過言ではありません。
そのデザインの違いによって、ワイシャツのさまざまな表情を楽しめます。
ただ、それぞれの襟に相応しいシーンがあるので、一つ一つの襟の特徴をしっかりと知ることが大切です。
代表的なものとして、
・レギュラー
・ワイド
・ホリゾンタル
・カッタウェイ
・ナローショート
・ボタンダウン
・スタンドカラー
・ウイングカラー
・ドゥエボットーニ
の9つの襟型があります。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
・レギュラー
レギュラーは、あらゆるシーンに対応できる、襟型の中でもっともベーシックなタイプです。
どんなスーツスタイルとも合わせやすく、清潔感に溢れた着こなしができるので、初めてワイシャツのデザインをする方には、ぜひ、おすすめです。
【こんな方におすすめ】
・幅広いシーンで着用できるワイシャツが欲しい方
・清潔感に溢れた着こなしをしたい方
【おすすめの着用シーン】
どんなシーンでもOK
どんなシーンにも対応したレギュラーの襟は、初めてワイシャツをデザインする方に、ぜひ、おすすめです。
また、どんなスーツやネクタイにも合わせやすいのが特徴の一つです。
清潔感に溢れ、好感度の高い印象を与えるので、あらゆるシーンで積極的に活用してください。
・ワイド
ワイドは、広めの襟羽開き(襟の開いている角度)が特徴で、レギュラーと並ぶ定番の襟型です。
首回りがすっきりと見え、ネクタイとの相性が抜群なので、ビジネスからフォーマルまで幅広く活用できます。
また、英国のウインザー公が好んで着ていたことから、「ウインザーカラー」とも呼ばれ、英国調のがっしりとしたスーツとの組み合わせが特におすすめです。
【こんな方におすすめ】
・幅広いシーンで着用できるワイシャツが欲しい方
・英国調のがっしりとしたスーツと合わせたい方
【おすすめの着用シーン】
どんなシーンでOK
ワイドの広めの襟とがっしりとしたスーツを合わせ、権威性を高めた、クラシカルな雰囲気を演出してみましょう。
それに合わせるネクタイは、結び目が太く存在感のある「ウインザーノット」にして、重厚感をプラスするのがおすすめです。
「好印象を作るネクタイの結び方|5種を動画でわかりやすく解説」
・ホリゾンタル
ホリゾンタルは、ワイドよりも広めになった襟羽開きが特徴です。
襟のサイズが小さめなので、すっきりとした印象になります。
ネクタイを締めたビジネススタイルも良いですが、第1ボタンを開けても襟が自立しているので、クールビズ時の「ノータイスタイル」にも良く映えます。
【こんな方におすすめ】
・クールビズに使えるワイシャツが欲しい方
・人とは違う個性を出したい方
【おすすめの着用シーン】
ビジネス、プライベート、披露宴、結婚式二次会
暑い夏を、キラリと光るセンスを出して、爽やかに過ごしましょう。
・カッタウェイ
カッタウェイは、襟羽開きが180度、あるいはそれに近い角度の襟型です。
襟先を真っすぐ切ったような見た目が、名称の由来です。
オフィスカジュアルを主にして、一般的なビジネスシーンでの着用は問題ありませんが、襟型が独特な分、色はシンプルに白などの落ち着いたものを選んでください。
式にも寄りますが、フォーマルな装いを求められる場合は、基本的に着用を避けるべきでしょう。
比較的ドレスコードが緩い披露宴や結婚式二次会では着用可能ですが、事前に当日の規定を確認しておくことが大切です。
その日に適した服装を心掛けてください。
【こんな方におすすめ】
・ビジネスシーン向けのワイシャツが欲しい方
・個性を出した着こなしをしたい方
【おすすめの着用シーン】
ビジネス、プライベート
カッタウェイは、ネクタイを締めても、襟が広がっている分、襟元が詰まって見えずすっきりとした印象になります。
軽快な印象のスーツスタイルで、快適なビジネスライフを過ごしましょう。
・ナローショート
ナローショートは、襟羽開きが狭く、コンパクトな作りをしています。
ドレッシーな印象を与えるので、比較的フォーマル向きなアイテムです。
ただ、細身の方や小柄の方は、襟のコンパクトさがうまく馴染むので、ビジネスシーンでの利用が可能です。
【こんな方におすすめ】
・パーティーなど華やかなシーンで着用したい方
・体型が細身の方
【おすすめの着用シーン】
結婚式二次会
・ボタンダウン
ボタンダウンは、襟先をボタンで留める仕様で、アメリカントラッドを象徴する襟型です。
以前の日本では、スポーティーでカジュアル感が強いため、ビジネスシーンやフォーマルシーンでは推奨されないデザインでした。
ただ現在では、クールビズの浸透などによる、「着こなしルール」のカジュアル化に伴い、ビジネスシーンでボタンダウンを着用する方が増えています。
【こんな方におすすめ】
・プライベートシーンで映えるワイシャツが欲しい方
・オフィスカジュアル用のワイシャツが欲しい方
【おすすめの着用シーン】
ビジネス(オフィスカジュアル推奨の場合)、プライベート
・スタンドカラー
スタンドカラーは、襟の折り返しがなく、バンド状に襟を立てたデザインです。
他の襟型よりも、首回りがすっきりとして、スマートな印象を与えます。
プライベートシーンでの利用がメインとなりますが、ドレスコードで「ノーネクタイOK」とされている結婚式二次会などの際に着用すれば、人とはひと味違う「洗練さ」を演出することができます。
【こんな方におすすめ】
・プライベートシーンで使えるワイシャツが欲しい方
・ワイシャツの着こなしの幅を広げたい方
【おすすめの着用シーン】
プライベート、結婚式二次会
・ウイングカラー
ウイングカラーは、首に沿って全体が包み込むように立ち上がり、襟先のみが前に折り返されている襟型です。
お祝いの場で着る「正装」のためのワイシャツなので、フォーマルシーンでのみの利用に限られます。
「礼服とスーツの違い|少ない機会だからこそ知っておきたい礼服の種類とマナー」
【こんな方におすすめ】
・フォーマルシーンで使えるワイシャツが欲しい方
・品格のあるトラディショナルスタイルを大切にしたい方
【おすすめの着用シーン】
披露宴、結婚式二次会
ウィングカラーシャツにもっとも相性が良いネクタイが、「蝶ネクタイ」です。
ただ、蝶ネクタイを着け慣れていない方にとっては、いつものネクタイスタイルと違い、Vゾーンの余白が気になるかもしれません。
その際、ベストを合わせてみるのがおすすめです。
寂しくなってしまった胸元を埋めるだけでなく、フォーマル度をグッと引き上げる効果もあります。
*ウイングカラーを選ぶ際は、追加料金がかかることもあります。
・ドゥエボットーニ
ドゥエボットーニの最大の特徴は、他のシャツよりも襟が高くなっている点です。
また、その襟を支えるため、第1ボタンが二つ付いているのも大きなポイントです(イタリア語でドゥエボットーニは『ボタンが二つ』という意味)。
また、高い襟を生かしてネクタイにボリュームを出した、タイドアップのスーツスタイルにもぜひ取り入れてみてください。
【こんな方におすすめ】
・クールビズで使えるワイシャツが欲しい方
・人とは違う個性を出したい方
【おすすめの着用シーン】
ビジネス、プライベート
そして、クールビズの導入と同時に流行した背景があり、現在、ビジネスシーンでは一般的に着られています。
ぜひ、クールビズの際に活用してくださいね。
*ドゥエボットーニを選ぶ際は、追加料金がかかることもあります。
2-3. 利便性とアクセントになる|ポケット
ワイシャツのデザインをする際、胸ポケットの有無を選択することができます。
欧米ではシャツとは下着から派生したものであり、「下着にポケットは不要」という考えが根付いています。
最近は日本でもメーカーによっては、「胸ポケットなし」のワイシャツが販売されていることがあります。
ただ、「○○の場面では胸ポケットはNG」といった厳格なルールはないので、デザインの好みでポケットを「無し」にしたり、ペンや手帳を入れたいといった利便性を考えてポケットを「有り」にしてみてください。
【こんな方におすすめ】
・ワイシャツに利便性を求める方
・胸元にアクセントが欲しい方
【おすすめの着用シーン】
どんなシーンでOK
「ポケットチーフの色の合わせ方|明日から使えるコーディネート10選」
2-4. 袖口を彩る|カフス
カフスとは、袖口のボタンを留める部分のことです。
ワイシャツ単体での着こなしはもちろん、ジャケットを羽織っていても、その袖口からチラリと見えるため、決しておろそかにしてはいけないポイントです。
主なデザインとしては、
・1つボタン(ラウンド)
・角落ち
・大丸
・2つボタン(スクウェア)
・ダブルカフス(ラウンド)
・ダブルカフス(スクウェア)
があります。
それぞれに特徴がありますので、下記でしっかりと見ていきましょう。
・1つボタン(ラウンド)
1つボタン(ラウンド)は、一重で折り返しがない袖口で、片方に付いているボタンで留めるタイプです。
「ラウンド」という名の通り、角が丸くカットされています(ブランドによっては角がカットされていない『スクウェア』型もあります)。
ワイシャツのカフスの中では、もっともベーシックな型となります。
レギュラーやワイドといった同じく「ベーシックな襟型」との相性が抜群です。
【こんな方におすすめ】
・幅広いシーンで着用できるワイシャツが欲しい方
・すっきりとして清潔感に溢れた着こなしをしたい方
【おすすめの着用シーン】
どんなシーンでOK
・角落ち
角落ちは、カフスの両端の角を落としたデザインです。
エレガントかつシャープな印象が強いので、ホリゾンタルやドゥエボットーニのようなデザイン性の高い襟との組み合わせがおすすめです。
【こんな方におすすめ】
・人とは違う個性を出したい方
・デザイン性のある襟と合わせたい方
【おすすめの着用シーン】
ビジネス(オフィスカジュアル推奨の場合)、プライベート
・大丸
大丸(おおまる)は、他の型よりもカフスの丸みを大きくつけたデザインが特徴です。
1つボタン(ラウンド)とともにベーシックな型ですが、大丸の方が「柔らかな」雰囲気を演出することができます。
【こんな方におすすめ】
・幅広いシーンで着用できるワイシャツが欲しい方
・柔らかい雰囲気を演出したい方
【おすすめの着用シーン】
ビジネス、プライベート
・2つボタン(スクウェア)
2つボタン(スクウェア)は、角がカットされていない袖口に、ボタンが二つ付いているデザインです。
2つのボタンでしっかりと袖口を留められるので、手首にしっかりとフィットした「動きやすさ」が魅力です。
【こんな方におすすめ】
・デザイン性を重視したワイシャツが欲しい方
・動きやすいワイシャツが欲しい方
【おすすめの着用シーン】
ビジネス、プライベート
・ダブルカフス(ラウンド)
ダブルカフス(ラウンド)は、袖口を折り返して二重にしているデザインです。
ゆるやかな丸みを帯びたディテールで、ドレッシーな印象を与えます。
カフスボタンを留めることが前提ということもあり、比較的フォーマル寄りなデザインとされています。
【こんな方におすすめ】
・フォーマルシーンで使えるワイシャツが欲しい方
・格式を重んじた着こなしをしたい方
【おすすめの着用シーン】
披露宴、結婚式二次会、お葬式
*こちらの型を選ぶ場合は、別途、ご自身でカフスボタンのご用意が必要です。
・ダブルカフス(スクウェア)
ダブルカフス(スクウェア)は、上記のダブルカフス(ラウンド)と同じく、袖口を二重に折り返したデザインです。
こちらは、カフスの角を落としていないので、よりクラシックな印象になります。
【こんな方におすすめ】
・フォーマルシーンで使えるワイシャツが欲しい方
・格式を重んじた着こなしをしたい方
【おすすめの着用シーン】
披露宴、結婚式二次会、お葬式
*こちらの型を選ぶ場合は、別途、ご自身でカフスボタンのご用意が必要です。
2-5. オリジナリティーで魅せる|ネーム刺繍
ネーム刺繍とは、シャツのカフスにイニシャル(頭文字)を入れるデザインパーツです。
「クリーニングネーム」という別名の通り、クリーニングに出された際に紛失を防ぐことができます。
また、メーカーによって刺繍を入れる位置は異なりますが、
・左袖(もっともベーシックな位置)
・左カフス(最近の一番人気)
・その他(ポケットや左ウエストライン)
となっていますので、ネーム刺繍を入れる際の参考にしてください。
※ネーム刺繍を入れる際は、追加料金がかかることもあります。
【こんな方におすすめ】
自分だけの特別なワイシャツが欲しい方
【おすすめの着用シーン】
どんなシーンでもOK
「世界の一着だけのワイシャツ」という意味を込めて、自分のイニシャルを入れる方も多いです。
どんなシーンにおいても、「ネーム刺繍」はマナー違反にはならないので、気になった方は、ぜひ、チェックしてみてくださいね。
2-6. 細部へのこだわり|オプション
このチャプターでは、ワイシャツデザインのオプションをまとめてご紹介します。
こだわりのカスタマイズをすることで、より自身の好みに合ったワイシャツに仕上げることができます。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
※オプションデザインには、基本的に追加料金が必要です。
・前立て
前立てとは、ボタン面の仕立てのことを指します。
代表的なものとして、以下の3種類があります。
・フレンチフロント(ノーマル)
ワイシャツの前端が内側に折り返っているデザインです。
前ボタンの部分がすっきりとした印象になります。
ビジネスからフォーマルシーンまで幅広く対応できます。
特にワイドの襟型との相性が良く、「クラシックスタイル」が好みの方におすすめです。
・プラケットフロント(裏前立て)
ワイシャツの前端が表側に折り返っているデザインです。
耐久性に優れ、前ボタンを手軽に留めることができる実用性を兼ね備えています。
ビジネスからフォーマルシーンまで幅広く対応できます。
レギュラーなどのベーシックな襟型はもちろん、ボタンダウンなどのカジュアル寄りの襟型との相性も抜群です。
・フライフロント(比翼仕立て)
フライフロントは、前立てを二重にして、表側からボタンが見えないデザインになっています。
基本的に、ウイングカラーなどのフォーマルシャツに仕様されるデザインです。
・クレリック
クレリックとは、襟とカフスの部分を白無地にしたデザインです。
ドレッシーで華やかな印象になります。
きっちりとした正装を求められるビジネスシーンには不向きですが、クールビズなどのカジュアルな着こなしを求められる際に魅力を発揮できます。
・貝ボタン
貝ボタンのワイシャツは「高級の証」と言われています。
シンプルながらも、天然素材ならではの艶やかな色合いは、ビジネスシーンやフォーマルシーンでワンランク上の「品」を演出したい際におすすめです。
ただ、熱に弱いという特徴があり、高圧プレスにかけたりすると貝が割れてしまうことがあります。
クリーニングに頻繁に出す方は、注意が必要です。
・キーパー着脱式
襟のカラーキーパー(芯)を取り外し可能にできるオプションデザインです。
素材はメーカーによって異なり、プラスチックや紙やステンレスなどさまざまです。
そもそも、カラーキーパーとは、襟が丸くならないように真っすぐ保つためのものです。
「取り外し可能」にすることで、洗濯をする際、カラーキーパーが変な方向に曲がったり、傷めないようにしたりすることができます。
・アジャスタブルカフス
アジャスタブルカフスは、ボタンが縦に2個付いているデザインです。
手軽にカフス回りのサイズを調整できるので、しっかりとボタンを留めたい方におすすめです。
*デザイン上、2つボタンカフス(スクウェア)では選べないオプションとなっていることがあります。
・時計用カフス
時計用カフスは、腕時計を付ける方の腕のカフスを広め(通常 + 約1.0cm〜1.5cm)にできるオプションデザインです。
盤面が厚めの腕時計をしていると、カフスに引っ掛かり、カフス回りが痛んでしまうことがあります。
そのため、盤面が厚めの腕時計をする方にとっては、ぜひ、おすすめしたいオプションです。
・第2ボタン下げ
第2ボタンの位置を下げ、胸元の開きを大きくすることができるデザインです。
通常よりもボタンとボタンの間が離れてしまうので、違和感を覚える方もいらっしゃるので、しっかりと着用シーンを考えた上でこのデザインにすることが大切です。
3. シーン別|おすすめのワイシャツデザイン6選
ここからは、シーン別におすすめのワイシャツデザインをご紹介します。
ワイシャツの「顔」である襟型を中心とした解説なので、ぜひ、デザイン選びの参考にしてくださいね。
3-1. ビジネスシーン向け
【フィット感】レギュラーフィット
【襟型】ワイド
【ポケット】あり
【カフス】1つボタン(ラウンド)
【オプション】プラケットフロント
ビジネスシーンに相応しい「誠実さ」に溢れたワイシャツデザインです。
どんなスーツやネクタイにも合わせられる汎用性も魅力です。
ベーシックなデザインパーツの組み合わせなので、「面白味に欠ける」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、ビジネスシーンでは個性を出すよりも、ビジネスマナーをしっかり押さえた信頼感のある落ち着いたデザインにまとめることが大切です。
【フィット感】レギュラーフィット
【襟型】ワイド
【ポケット】ポケットなし
【カフス】1つボタン(ラウンド)
【オプション】フレンチフロント、クレリック
こちらは、クールビズの際におすすめのワイシャツデザインです。
何といっても、クレリック特有の清涼感がポイントになります。
ワイドの襟は、顔回りをすっきりと見せてくれるので、ノーネクタイでも誠実な印象を与えることができます。
3-2. プライベートシーン向け
【フィット感】レギュラーフィット
【襟型】カッタウェイ
【ポケット】ポケットなし
【カフス】角落ち
【オプション】フレンチフロント
こちらは、プライベートシーンならではの「遊び心」のあるデザインです。
カッタウェイの襟と角落ちのカフスというデザイン性の高い型同士の組み合わせで、スタイリッシュな印象を与えます。
別の組み合わせとして、フィット感を「スリム」に変更して、よりスマートさを加えてみるのもおすすめです。
【フィット感】レギュラーフィット
【襟型】ホリゾンタル
【ポケット】ポケットなし
【カフス】1つボタン(ラウンド)
【オプション】フレンチフロント、貝ボタン
ホリゾンタルは、襟が自立しているので、ネクタイや第1ボタンを外しても綺麗なシルエットを保つことができます。
そこに、クラシックな印象のフレンチフロントと品のある貝ボタンを取り入れることで、ラフでありながら清潔感に溢れたデザインを実現しています。
3-3. フォーマルシーン向け
【フィット感】レギュラーフィット
【襟型】ナローショート
【ポケット】ポケットなし
【カフス】1つボタン(スクウェア)
【オプション】プラケットフロント
ナローショートに、ベーシックなカフスと前立てを組み合わせた、ドレッシーな印象を与えるデザインです。
この写真では、カフスが「スクウェア」になっていますが、「ラウンド」に変更すすると、より柔らかな印象になるのでおすすめです。
【フィット感】レギュラーフィット
【襟型】ウイングカラー
【ポケット】ポケットあり
【カフス】ダブルカフス(スクウェア)
【オプション】フライフロント
こちらはまさに、タキシードフォーマル用のデザインです。
ウイングカラーの襟と、「クラシックスタイル」のダブルカフスとフライフロントというデザインの組み合わせが、日常にはない「品格」を表現しています。
また、ここにオプションとして貝ボタンを加えてあげると、より上品な印象になります。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後に、ワイシャツのデザイン選びで大切なことをまとめると、
・着用シーンを考えること
・それぞれのデザインパーツの特徴を知ること
ということになります。
デザインパーツに関しては、「3. パーツ別|知っておきたいワイシャツのデザイン解説6選」で詳しく解説しています。
また、それぞれのパーツを組み合わせたワイシャツデザインに関しては、「4. シーン別|おすすめのワイシャツデザイン6選」をご覧ください。
この記事を参考にして、ぜひ、ワイシャツのデザイン選びを楽しんでくださいね。
重要な会合や親族の結婚式など、マナーや信頼感を大切にしたいシーンでは、スタンダードフィットを基本に忠実に着こなすのがおすすめです。