良いスーツを買ってお手入れもクリーニングもしているはずなのに、スーツが安っぽく見える気がしませんか?その原因はクリーニングを正しく使えていないからかもしれません。
クリーニングはただプロに任せるだけでは効果がなく、正しい知識を持って利用することが大切です。
今回はクリーニングの頻度や仕組み、出し方のコツをご紹介しながら、クリーニングにまつわる疑問をお答えします。
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※この記事は2024年11月時点の情報をもとに作成しています。 ※記事内の価格は記載がない限り全て税込み価格です。 ※本記事で紹介しているブランド/商品はPR商品を含みます。 |
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1. スーツをクリーニングに出す頻度
スーツをクリーニングに出す頻度は、1シーズンに1回程度で十分です。クリーニングに出す頻度が多すぎるとスーツが傷んでしまう可能性があります。
「スーツのクリーニングの頻度|スーツを清潔に保つための4つのお手入れ方法」
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2. スーツのクリーニングの種類
スーツのクリーニングには、ドライクリーニングとウェットクリーニングの2種類があります。
ドライとウェットの違いは有機溶剤(石油のようなもの)で洗うか、水で洗うかです。その洗剤の違いによって、落とせる汚れも仕上がりも変わります。
クリーニングで失敗しないためには、油汚れか水溶性の汚れか、どちらの汚れを落としたいのかをまず決めましょう。
油汚れはマヨネーズ・口紅・チョコレートなどの汚れ、水溶性の汚れは汗・オレンジジュース・しょうゆなどの食べ物の汚れです。
何が原因の汚れかを把握したあとで、ドライクリーニングとウェットクリーニング(汗抜きコース)を使い分けるのがポイントです。
2-1. ドライクリーニング|有機溶剤で油汚れを落とす
ドライクリーニングはウール(スーツの主な素材)などの洗濯できない素材を、有機溶剤(石油のようなもの)で洗います。
有機溶剤は油汚れを落とすのに向いていますが、食べ物や汗などの水溶性の汚れは取れません。
・皮脂や口紅などの油汚れが取れる
・型崩れしにくい
・生地がバサバサになる
・汗などの水溶性の汚れが落ちない
こんなときに使いましょう
シーズン1回程度、衣替えで保管する前に出しましょう。 ドライクリーニングで落とす油汚れは、普段はあまり付きません。シーズンに1回で十分です。
むしろドライクリーニングの出しすぎは生地が傷んでしまうので、おすすめできません。有機溶剤(石油のようなもの)がウールの繊維内にある油分まで溶かし落としてしまいます。
2-2. ウェットクリーニング|水で汗と食べ物汚れを落とす
ウェットクリーニングは水を使って汚れを落としますが、いわゆる洗濯とは違います。クリーニング店の高度な知識や技術を使って初めて可能なサービスです。
スーツは水洗いできないはず…とお思いかもしれませんが、素材の特徴をつかんで正しく洗えば、型崩れもなくすっきり汚れを落とせます。ただ、家庭での洗濯はおすすめしません。
・汗、食べ物の汚れなどが落とせる
・さっぱりとした洗い上がりが楽しめる
・料金が高い上に事前に決まっていないことが多い
・高度な技術が必要なため失敗の可能性がある
こんなときに使いましょう
基本的には、汗や食べ物・飲み物などの水溶性の汚れが気になれば、いつでも出せます。ただ、料金が高い上にウールは水洗いに向かない素材なので、頻繁に出す人は少ないと思います。
「スーツの洗濯術|洗濯にまつわる疑問をすべて解決」
3. クリーニング前にすること
クリーニングしたいな〜と思っても、すぐにクリーニング店に駆け込むのはやめましょう。
クリーニングは頑固な汚れも落とせる分、生地が傷んでしまうなどのリスクがあります。まずトラブルとその原因を把握して、クリーニングが最適な解決策だと分かってから、クリーニングに出しましょう。
ここからは、クリーニングで後悔しないためのポイントをご紹介していきます。
3-1. クリーニング以外のお手入れを試してみる
まず、本当にクリーニングが必要なのかを見極めましょう。 実は多くのスーツのトラブルは家庭でも解決できます。
例えば、以下のトラブルが起きたときは自宅でのお手入れを試してみます。
- シワがついた
- シミがついた
- 汗をかいた
インク汚れなどのそれ以外の汚れは、クリーニングでも落ちない場合があります。まずはクリーニング店に相談しましょう。
3-2. 洗濯絵表示の確認
まれにドライクリーニングできないスーツがあります。服のタグを見て、ドライクリーニングできるかどうか確認しましょう。
マークの意味は下の表で読み取ることができます。
4. クリーニング店選び
クリーニングに出すと決めたら、クリーニング店を選びます。スーツの素材や状態、予算などに合わせて選びましょう。
まずは、どのタイプの店を選ぶときにも必要なポイントをお伝えします。
・技術
これが一番気になるポイントだと思いますが、クリーニングの質は店舗によって大きく差があります。
良いクリーニング店を見極めるのは難しいですが、以下のような質問でクリーニング店の知識や技術を確認できます。
Q. どのようなプロセスでクリーニングしていますか?
・良い:検品した上で、工場へ送り、プレスは手でかけています。
・悪い:手仕上げです。
プロセスを説明できるかどうかで、スタッフがクリーニングの知識を持っているかが分かります。
溶剤の管理は特に難しく、きちんとろ過しているクリーニング店はかなりポイントが高いです。逆に、一言でしか言えない場合は要注意です。
・料金
クリーニング店はピンからキリまでで、安いクリーニング店にはその分の理由もあります。質が心配なときは、ワイシャツなどを出してクリーニング店の質を確認してから、大切なスーツを預けた方が良いでしょう。
ウェットクリーニングの場合はもともと水洗いに向かないスーツを洗うため、素材ごとに合わせたクリーニングを行います。そのため料金がはっきり決まっていないことが多いです。
また、デリケートな素材(シルク・カシミヤ・麻など)ほど高い技術が必要なので、追加料金がかかります。事前にクリーニング店に相談しましょう。
・誠実さ
誠実さも事前に量るのは難しいですが、以下の質問で、気持ちよくクリーニングしてもらえるか?がポイントです。
再クリーニングは無料でしていただけますか?
良:満足していただけるまで無料で再クリーニングいたします。
悪:有料での対応になります
悪:どこでトラブルが発生したか分かりかねるので、対応できません。
シミが変色しているのですが、取っていただけますか?
良:漂白処理で取れると思います
悪:取れません
悪:高いコースを使っていただかないと取れません
変色したシミはドライクリーニングやウェットクリーニングのみでは落ちないため、多くのクリーニング店は取ってくれません。漂白処理をしてくれるかどうかで、クリーニング店の誠意が見えます。
では、お伝えしたポイントを踏まえて、タイプ別にクリーニング店の特徴やおすすめのクリーニング店を見ていきましょう。
一般的なクリーニング店
高級クリーニング店
ネットクリーニング店
の3タイプに分けて、それぞれの特徴やおすすめのクリーニング店をご紹介していきます。
4-1. 一般的なクリーニング店
一般的なクリーニング店は、手頃な価格と速い仕上がりが魅力です。クリーニング店に立ち寄る手間は必要ですが、スタッフへ相談がしやすいというメリットもあります。
料金もサービスにもかなり幅がありますが、まずは平均的なクリーニング店の情報です。
相場:1,000円〜
ドライクリーニングはスーツ上下:1,500〜2,500円程度、ウォッシュクリーニングだとその倍程度かかります。ちなみにワイシャツは100〜180円ほどです。
所要日数:5日〜1週間で予定を立てる
朝出して当日の夕方に受け取るサービスがある店もありますが、基本は数日かかると考えましょう。お急ぎ設定にしない場合は、5日〜1週間で考えておくと安心です。
クリーニングコースの違い:普通コースで十分
デラックス(ロイヤル)コースと普通のコースの違いは、仕上げの丁寧さのみです。
例えば、高級な素材に合わせて洗浄時間を短くしてくれたり、毛並みを整えてくれますが、基本は普通のコースで問題ありません。
どうしても普通のコースでは心配なときは、クリーニング店に相談してから、デラックスコースを検討しましょう。また、デラックスコースを選ぶくらい心配なら、高級クリーニング店を検討するのもおすすめです。
一般的なクリーニング店にはチェーン店と個人店があります。よく言われるこは、チェーン店は機械を使った流れ作業が多いため速い&安いクリーニングが可能です。個人店は時間がかかるものの、丁寧な仕上がりが期待できます。
今回は分かりやすいように、大手チェーン店を中心にご紹介していきます。
白洋舎
伝統ある大手クリーニングチェーン店。シミ抜き技術や、アイロン技術に定評があります。
百貨店にも出店していたり、テーラーさんがおすすめしていたりなど、ファッション業界からの評価も高いです。料金も手に届きやすく、迷ったときにおすすめのクリーニング店です。
編集部スタッフはレーヨンのワンピースを持って行きましたが、ウェットクリーニングが必要な理由まできちんと説明して下さって、安心して預ける事ができました。もちろん仕上がりも満足です。
【ウェットクリーニング料金】4,125円(税込)〜
ホワイト急便
地域で一番安いクリーニング店という触れ込みで人気のクリーニングチェーン店。
3点で980円や、ワイシャツ80円などのキャンペーンも頻繁に行われています。ただ、預けた服を紛失された、追加料金を払ってシミ抜きをお願いしたのに取れていない、などのクレームも聞かれるので、大切なスーツを預けるのは慎重に検討しましょう。
またホワイト急便はウェットクリーニングの取り扱いがありません。汗抜きコースがありますが、ドライクリーニングの溶剤を工夫して汗を抜くタイプなので効果は薄いです。水溶性の汚れは十分に落とせ無いので注意しましょう。
※参考価格:841円(税込)~
4-2. 高級クリーニング店
高級クリーニング店は、こだわりのスーツのお手入れに最適です。高級クリーニングではそれぞれのスーツをじっくり検品、その状態に合わせたお手入れ方法を使って汚れを落としていきます。
そのため見積りを取ってもらうまでは、料金が分からないことが多いです。参考価格としては、スーツ上下で5,000円〜10,000円程度になると思います。
料金は高いものの、その分丁寧な対応と仕上がりが期待できます。他のクリーニング店では対応してもらえないようなトラブル、縮みや生地のテカリ、などのケアもお願いすることが可能です。
一般的なクリーニング店では不安なときや、完璧に仕上げて欲しいときは、高級クリーニング店に相談してみましょう。
ナチュラルクリーン
ウェットクリーニングと高級ドライクリーニングの店。
水洗いの際に心配な型崩れを防ぐために、しつけ縫いをしてから洗ったり、人型のマネキンに着せて乾かすなど、細心の注意を払って仕上げてくれます。
お問い合わせページを見るだけでも、お客様からの質問や要望に丁寧に回答されていて、スタッフさんの知識や技術、誠実さが感じられます。
レジュイール
洋服ケアの専門店。いわゆるドライクリーニングだけでなく、オートクチュールなどに使われるシミ抜き方などを用いています。
契約書を交わし、損害保険を付けた上で預けることになるため、高価なスーツも安心してお手入れしてもらえます。
【ウェットクリーニング料金】17,000円(税抜)〜
4-3. ネットクリーニング店
ネットクリーニングは忙しくてクリーニング店に行く時間がない方、一度に多く洋服をクリーニングに出す方におすすめです。
自宅に集荷に来てもらい、自宅まで配送してもらえます。気になる料金も、一般的なクリーニング店より少し高いかも?という程度です。 便利で近年利用者が急増中ですが、以下のようなデメリットも存在します。
・所要日数
通常1週間はかかります。最短2日で受け取れるサービスがある店もありますが、一般的なクリーニング店に比べると所要日数は長くなります。遠くから配送するため、何らかのトラブルが発生すると数週間かかってしまうこともあります。
・仕上がり
基本的な技術は一般的なクリーニング店と同じくらいの店が多いです。ただ、配送の過程で折りたたまれ、箱に詰められるので、開けたときにシワやヨレが気になってしまうかもしれません。ハンガーにかけて専用BOXで配送するサービスもありますが、料金は高くなります。
また、最近は一部の業者の悪質な対応が話題になっているので、ネット上の評判などを参考にしつつ慎重にクリーニング店を選びましょう。
リネット
カシミヤなどの高級素材も多数扱ってきた実績と、丁寧な対応で人気です。
ネットクリーニングは不安になりやすいですが、lenetは各工程に入る際に連絡をくれるため安心です。仕上がりの高さ、シミ抜きの技術にも定評があります。ただ、料金が事前に分からず、見積金額より実際にはかかってしまうこともあるそうです。
【ウェットクリーニング料金】1,771円 + 220円(税込)〜
せんたく便
たくさんクリーニングに出したい方におすすめの、パック料金制です。
ジャケットやシャツなど洋服の種類に関わらず同じ料金で出せます。ダウンジャケットなどはせんたく便へ、ワイシャツなどは他のクリーニング店へ出して節約される方も多いそうです。無料の撥水加工や簡単なシミ抜きなどの嬉しいサービスも充実しています。
5. クリーニング後にすること
クリーニングしてもらったから大丈夫、安心して放置・・・ではクリーニングの効果を確認できません。
クリーニング店でもトラブルが解決できていないときも多いですし、クリーニング店の袋に入れっぱなしにすることはカビの原因になります。これ以上お手入れが必要ないかスーツの状態を確認して、風通しの良いケースに入れ替えるなどしてから保管してください。
5-1. 袋から出す
クリーニングから戻ってきた服はすぐにビニールから取り出しましょう。
ビニール内では湿気がこもり、カビが生えやすくなります。不織布を使ったガーメントバックに入れて保管すると、ほこりがつきにくくおすすめです。
5-2. 仕上がりのチェック
袋から出したら、クリーニングの仕上がりを確認しましょう。
事前に伝えておいた問題(シミなど)が解決されているか、変なシワが入っていないかなどをチェックしてください。
6. よくある疑問Q&A
最後に、ここまでではご紹介できなかったクリーニングの疑問にお答えします。
Q1. 仕上がりに満足できなかったら、再クリーニングできるの?
A. 再クリーニングは、ほとんどのクリーニング店で無料です。
シミが抜けていない、シワが取れていないなどの問題点は、クリーニング店に相談しましょう。ただ、1回目で取れなかったシミやシワは、2回目も取れないことがあります。
汚れは時間が経つと沈着してしまうので、スーツのトラブルは起きてすぐに解決するのが一番です。
Q2. クリーニングの回数が変わると、服のローテーションも変わるの?
A. クリーニングの回数が減ると、スーツが手元にある期間が増えるため、必要なスーツの枚数も減ります。
シーズン1回のクリーニングだと、スーツは夏3着・冬3着あれば無理なくローテーションできるはずです。
Q3. クリーニングを減らすのって不安、代わりに何をすれば良いの?
A. スーツを長持ちさせるには、日々のお手入れが何より大切です。
プロに任せるクリーニングは、万能のような気がしてしまいがちですが、汚れは落ちても繊維の状態は良くなりません。ハンガーにかけて型崩れを防いだり、スチームで繊維を立たせてあげたりして、買ったばかりの生地の風合いを保ちましょう。
7. まとめ
クリーニングって実際は何をしてるのだろう?どうやって出せばいいの?など、気になるけれど聞けない疑問は解決できたでしょうか?
ドライクリーニングとウェットクリーニングは全く違う効果があり、質もクリーニング店によってかなり差があります。
大切なスーツを長く着るには、
- 油汚れはドライクリーニング
- 汗や食べ物汚れはウェットクリーニング
と目的に合わせてクリーニングを使っていくことが必要です。
今回の記事を参考に、クリーニングでスーツのお手入れを完璧にしましょう。
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