美白化粧品を買おうと思っても、「ビタミンC誘導体」や「アルブチン」など美白成分の種類や違いがよく分からず迷っていませんか?
この記事では、化粧品の成分に詳しい専門家の方にご協力いただき※、効果的な美白有効成分5選をご紹介します。
※化粧品などの商品掲載箇所は除いた監修となります
また、美白ケアでよく耳にする「ハイドロキノン」の効果や安全性も解説。
正しい知識を手に入れて、化粧品選びに差を付けましょう!
その後独立して公式YouTube「すみしょう」にて、化粧品成分、薬機法、広告等について、科学的、分かりやすいレビュー動画を制作し、化粧品選びのヒントやリテラシー向上のための情報を発信中。美容雑誌やWebメディアの監修、YouTuber向けマーケティングコンサルティングも行う。現在はオリジナルスキンケア化粧品を開発中。
公式YouTubeのチャンネル登録者数は47万人を超える。
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※この記事は2024年10月時点での情報を基に作成しています。 ※本記事の「美白」とは日焼けによるシミ・そばかすを防ぐことを指します。 ※価格はすべて税込です。 |
1.美白に効果的な成分とは?
化粧品に配合される美白成分は数多く存在しますが、そのなかでも肌への効果をしっかり感じられるのは「美白有効成分」です。
美白ケアには、シミやそばかすのもととなるメラニン生成のメカニズムに働きかける成分が効果的。
美白有効成分とは、「メラニンの生成を抑え、シミやそばかすを防ぐ効果」などが厚生労働省から認められた、お墨付きの成分です。
シミやくすみのそもそもの原因は、「メラニン」が肌内部で生成・蓄積されること。
肌が紫外線やストレスなどで刺激を受けると、肌内部の「メラノサイト」という細胞が活性化します。
メラニンは、このメラノサイトのなかで「チロシン」と「チロシナーゼ」という2つの物質が反応することで生成されるもの。
上記のようなメラニン生成のメカニズムに効果的に働きかけてくれるのが、美白有効成分なんです。
次の章では、美白有効成分の効果について詳しく解説しますよ。
2.覚えておきたい効果的な美白有効成分5選
ここからは、化粧品に配合されることの多い5つの優秀な美白有効成分をご紹介します。
1つずつ、その効果を詳しく見ていきましょう。
①ビタミンC誘導体
「ビタミンC誘導体」は、美白有効成分のなかでもとくに知名度の高い成分です。
- メラニンの発生を抑制(シミができるのを予防する)
- メラニンの還元(今あるシミを薄くする)
といった効果があり、予防と改善の両面から働きかけてくれるのが特徴。
ビタミンC誘導体にもいくつか種類があり、全成分表示では「~アスコルビル」などと記載されています。
ビタミンC誘導体の成分表示例 |
・リン酸アスコルビルMg ・アスコルビン酸 ・アスコルビン酸グルコシド など |
美白効果以外にも皮脂抑制作用・エイジングケアにも期待できることから、さまざまな化粧品に配合されている万能成分です。
②アルブチン
「アルブチン」は、コケモモなどの植物にも存在する成分。
刺激性や安定性などの面で扱いやすく、多くの美白化粧品に配合されています。
メラニンの生成に関わるチロシナーゼの働きを抑制し、シミ・そばかすを予防します。
アルブチンの成分表示例 |
・アルブチン(β-アルブチン) ・α-アルブチン など |
一般的にアルブチンとは、β-アルブチンを指します。一方、α-アルブチンは、別名「ハイドロキノン誘導体」とも呼ばれ、β-アルブチンの10倍のメラニン生成抑制効果がある成分です。
ただし、有効成分として認められているのはβ-アルブチンのみです。
▷「ハイドロキノン」については記事下部で詳しく解説します。
③トラネキサム酸
「トラネキサム酸」には、メラニンの生成を抑制してシミ・そばかすを予防する効果があります。
また、スキンケアでは改善が難しいと言われる「肝斑」にも効果的。
トラネキサム酸の成分表示例 |
・トラネキサム酸 ・m-トラネキサム酸 ・t-AMCHA など |
抗炎症成分としても知られており、肌荒れ向けの医薬部外品に配合されることもあります。
④カモミラET
「カモミラET」は、カミツレ(カモミール)の花が原料の美白有効成分。
多くの美白成分のメラニン生成抑制メカニズムであるチロシナーゼ活性阻害ではなく、情報伝達物質のエンドセリン-1抑制による色素沈着抑制作用があります。
花王独自開発の美白有効成分で、 一般的なカミツレの花エキスとは抽出方法、効果が異なります。
カモミラETの成分表示例 |
・カモミラET |
化粧品メーカーの花王が、独自の方法でカミツレの花から抽出し、開発したエキス。天然植物由来の美白有効成分として、注目を集めています。
▷参考:花王ソフィーナ ブライトニング美容液(外部サイト)
⑤コウジ酸
「コウジ酸」はその名の通り麹(こうじ)から発見され、製薬会社が開発した成分で、とくにシミ予防・くすみのケアに効果的な美白有効成分です。
メラニンを生成するチロシナーゼに働きかけることで、美白効果を発揮します。
コウジ酸の成分表示例 |
・コウジ酸 |
麹を扱う酒造り職人の手が白く滑らかであることから発見され、国内外で注目を集めている美白成分です。
このように、ひとくちに「美白有効成分」と言ってもそれぞれ効果・特徴には少しずつ違いがあります。
ここでもう一度、ご紹介した5つの成分についてまとめます。
◆美白有効成分5選まとめ
美白成分 |
メラニン抑制 | メラニン還元 | 特徴 |
ビタミンC誘導体 |
◎ | ◎ | 皮脂ケアやエイジングケアにも |
アルブチン |
◎ | - | 安定性がありポピュラー |
トラネキサム酸 |
◎ | - | 肝斑や肌荒れにも |
カモミラET |
◎ | - | 天然植物由来成分 |
コウジ酸 |
◎ | - | くすみもケアする麹由来成分 |
効果や特徴をもとに、気になる成分が配合された化粧品を選んでみてくださいね。
「美白効果が一番高い成分はどれ?」と気になるところですが、肌質やアイテムの処方設計によって効果に差が出るため、どの成分が一番とは言い切れません。
自分の肌にぴったり合う成分を見つけるには、まずはトライアルセットなどで実際にアイテムを試してみるのがおすすめです。
また、美白ケアでよく耳にする「ハイドロキノン」も高い美白効果を持つ成分です。
次の章から、効果や注意点を詳しく解説していきますよ。
3.ハイドロキノンの効果と注意点
ハイドロキノンは、美白有効成分として認められてはいませんが、他の美白成分の10~100倍もの高い美白効果があると言われています。
ただし高い美白効果を持つ反面、
- 肌への刺激が強い
- 酸化(劣化)しやすい
といった特徴も。安全性を重視するのなら、皮膚科で処方してもらうのがおすすめです。
◆市販の化粧品でハイドロキノンを取り入れるには?
※こちらの情報は編集部独自の調査による
ハイドロキノンを市販の化粧品で取り入れる場合には、以下の2点を基準に、なるべく刺激の少ないアイテムを選びましょう。
ここで、編集部おすすめのハイドロキノン配合化粧品を1点ご紹介します。
・QuSomeホワイト2.0(ビーグレン)
※商品の選定は編集部独自の調査による
◇価格:6,600円/15g
効果と低刺激性を考えて作られた美白クリームが、気になるシミを集中ケア。
最後に、美白成分についてのよくある疑問をQ&A形式でご紹介します。
4.化粧品選びに役立つ美白成分のQ&A
いざ美白化粧品を購入しようと思っても、成分の効果を見ただけでは決められない場合もありますよね。
そこでこの章では、美白成分についての疑問をQ&A形式でご紹介します。
Q1.美白成分はどんな化粧品で取り入れるべき?
Q2.美白成分はいくつか併用してもいい?
Q3.美白成分を使うと白斑ができないか心配…
Q4.ハイドロキノンより美白効果の高い成分はある?
本気の美白ケアを叶えるために、ここでしっかり疑問を解消しておきましょう!
Q1.美白成分はどんな化粧品で取り入れるべき?
A.美容液やクリームで取り入れるのがおすすめ。
美容液やクリームは、化粧水などに比べて美白効果をサポートする美容成分が多く配合されている傾向があります。
※有効成分の配合量はメーカーにより異なる
こうしたアイテムを選べば、より成分の美白効果に期待できると言えますよ。
自分で美白化粧品を選ぶのが難しい時には、
・医薬部外品
・薬用
と表記されたアイテムを選ぶのもおすすめ。
上記の記載がある美白化粧品には、必ず一定量以上の美白有効成分が配合されています。
▷おすすめの美白アイテムは別記事「おすすめ美白化粧品26選」で多数ご紹介していますよ。
Q2.美白成分はいくつか併用してもいい?
A.併用しても問題はありません。
化粧品によっては、最初から複数の美白成分が配合されている場合も。
ただし、美白成分をたくさん取り入れればそのぶん早く効果が出るというわけではありません。
より効果的な美白ケアがしたいなら、
- 価格帯
- テクスチャ&香り
なども考慮して、自分に合った続けやすいアイテムを使うことが大切です。
美白化粧品はたくさんの種類を1回だけ試すよりも、1アイテムを2~3ヵ月継続して使ったほうが効果を実感しやすくなりますよ。
美白効果はすぐに出るものではないので、焦らずにケアを続けてくださいね。
Q3.美白成分を使うと白斑ができないか心配…
A.国に認められた美白有効成分なら、あまり心配しなくても大丈夫です。
美白有効成分として認証されている成分は、白斑などの肌トラブルを防止するために国が定めた厳しいテストをクリアした成分ばかり。
正しく使っていれば、大きなトラブルが起こる可能性は低いと言えますよ。
過去に「ロドデノール」という美白成分配合の化粧品で使用者に白斑トラブルが起こり、メーカーによる製品回収騒動がありました。
この成分は、現在は化粧品への配合が禁止されています。
またどんな美白成分であっても、人によっては肌に合わない場合があります。
- メーカーが定めた使用方法・使用量を守る
- まずはトライアルセットから試してみる
など、肌になるべく負担をかけない使い方を心掛けてくださいね。
Q4.ハイドロキノンより美白効果の高い成分はある?
A.「より美白効果が高い」とされる成分も存在します。
ハイドロキノンより高い美白効果を持つと言われる
・WHITE377(フェニルエチルレゾルシノール)
という成分がありますが、美白有効成分としては認証されていません。
注目されて間もない成分のため、今後の研究の成果に期待したいですね。
5.まとめ
美白成分について、詳しく知ることはできましたか?
効果的な美白ケアがしたいなら、まずは「美白有効成分」が配合された化粧品を選ぶのがおすすめです。
最後にもう一度、今回ご紹介した5つの美白有効成分の効果をおさらいしておきましょう。
①ビタミンC誘導体
…シミの予防&改善・皮脂抑制・エイジングケア など
②アルブチン
…シミの予防 など
③トラネキサム酸
…シミの予防・肝斑のケア・抗炎症 など
④カモミラET
…シミの予防 など
⑤コウジ酸
…シミの予防・くすみケア など
▷「覚えておきたい効果的な美白有効成分5選」をもう一度見る
これらの美白有効成分のほかにも、
- より強力な美白ケアがしたい
- 医療機関と同じ美白成分を使いたい
という方は、美白成分「ハイドロキノン」もチェックしてみてくださいね。
▷「3.ハイドロキノンの効果と注意点」をもう一度見る
美白成分をきちんと理解したうえで化粧品を選んで、シミ・くすみに悩まない美肌を叶えましょう。