就活の面接に臨むにあたって「どんなネクタイを着けて行けばいいのか」悩まれる方も多いのではないでしょうか?
ネクタイは、あなたの第一印象を決める重要なアイテムです。選んだネクタイの色や柄によってあなたの印象は大きく変わるので、決してないがしろにはできません。
たかがネクタイと思うかもしれませんが「企業が求める人物像と雰囲気が合わない」という理由で落とされてしまわないように、しっかり選びたいですよね。
そこで今回は、あなたが与えたい印象とともに、企業が求める人物像に合わせたネクタイの選び方をご紹介します。
すぐに真似することができますので、ぜひ最後までご覧ください。
(※この記事は、2021年1月時点での情報を参考にしています。)
Outline
1. 心理学から見る面接にふさわしいネクタイの色と基本
ネクタイの色を選ぶ時は
「ハデすぎない色」
「面接(ビジネスシーン)に相応しい色」
この2つの基本さえ押さえておけば、大きな失敗はしません。では、具体的にどんな色のネクタイがOKで、どんな色が面接ではNGなのか見ていきましょう。
1-1. OKなネクタイの色
人の心理が色によって大きな影響を受けることは統計学的に証明されています。もちろん、ネクタイの色だけであなたの面接の合否が決まるわけではありませんが、ネクタイの色によって面接官はあなたの第一印象を無意識に決めてしまっています
始めに好印象を持ってもらえれば、初頭効果で面接官はあなたのことをずっと好意的に見てくれますので、面接の合格率を上げることができるでしょう。
この機会にぜひ、面接で使えて好印象を与えられるネクタイの色を知っていってください。
・青(紺)色
青や紺色のネクタイは「真面目」「誠実」「知的」「堅実」という印象を与えます。
就活の定番カラーでもあり、誰からも好かれている色です。 真面目な印象を与えるのでどの業界でも使えますが、金融業界や事務職など真面目さや誠実さが求められる業界の面接に特に適しています。
・赤、エンジ色
赤やエンジ色のネクタイは「行動的」「積極的」「情熱」「やる気がある」という印象を与えます。
ポジティブな印象を与えるので、面接に備えて必ず一本は持っておきたいネクタイです。また、赤やエンジ色は自分自身を奮い立たせる効果もあるので、最終面接などここぞという面接の時に着けて行くのをおすすめします。
ただし、「1-2. NGなネクタイの色」でも触れていますが、派手すぎるな色は面接官には好まれませんので、面接に着けて行くなら明るさが控えめの赤やエンジ色のネクタイにしましょう。
・黄(橙)色
黄、橙色のネクタイは「親近感」「明るい」「社交的」という印象を与えます。
話しかけやすい印象を持ってもらえるので、営業職やサービス業などコミュニケーション能力を求められる業界の面接には、ぜひ着けて行きたいネクタイです。
また、就活では青やエンジ色など比較的重い色のネクタイを着けてくる人が多いので、黄色や橙色のような軽い色のネクタイはあなたの存在をアピールしてくれます。
グループ面接など、一度に大勢の人が集まるような場にもおすすめです。 ただし、明るくて派手すぎる色は悪い意味で目立ってしまうので、黄色や橙色のネクタイを着用する時は明るさを抑えたものにしましょう。
・緑色
緑色のネクタイは「協調性」「安心」「穏やか」「自然体」という印象を相手に持ってもらうことができます。
面接で緑色のネクタイを着けている人は少ないですが、派手な色合いでなければ問題ありません。協調性をアピールできるので、チームワークを求める職種の面接で緑色のネクタイはおすすめです。
また、面接だけでなく、グループディスカッションやグループワークのように、協調性を求められる場面にも緑色のネクタイは適しています。
・水色
水色のネクタイは青系のネクタイが与える「真面目」「誠実」「知的」「堅実」の印象に加えて「爽やか」「若々しい」「自由」という印象も相手に与えます。
どの業界で着けても問題ありませんが、夏など季節に合わせて着用するとより爽やかな印象がアップします。
「春・夏は水色」「秋・冬は青、紺色」と季節に合わせてネクタイを選ぶことをおすすめします。
・ピンク
ピンクのネクタイには「優しい」「柔らかい」「温かみがある」という印象を与える効果があります。
目立つことができ女性受けの良い色なので、女性の面接官がいる時や、アパレル業界など女性が多い業界での面接におすすめです。
ただし、「1-2. NGなネクタイの色」でも触れていますが、色が派手すぎると面接の場には相応しくないので、面接に着けて行く時は明るさを抑えたものにしましょう。
・茶色
茶色のネクタイは「堅実」「包容力」「落ち着き」という印象を与えます。
落ち着いた印象を与えるので、ハデなことを好まない保守的な企業の面接時などにはピッタリです。 ただし、印象には残りにくいので、面接の時に自分をしっかりアピールできるように準備しておきましょう。
・グレー
グレーのネクタイは「調和」「落ち着き」「洗練」などの印象を与えます。
「グレーは無個性だ」と思われていますが、「指示したことキッチリこなしてくれる人を探している」企業にとっては、個性的なネクタイを着けるよりも好まれます。
なので、グレーのネクタイを着けたい場合は、企業がどんな人を求めているのかしっかり調べてから着用するようにしましょう。
「ネクタイの色の選び方|あなたの印象を思い通りに変える3つのコツ」
1-2. NGなネクタイの色
・黒、白
日本では白いネクタイは慶事用、黒いネクタイは弔事用と考えられています。
慶事用のネクタイに関しては、最近では白である必要はなくなりつつありますが、年配層にとっては「慶事=白」という印象が強いです。就活の場では避けるようにしましょう。
なかには、「ベースの色が黒(白)でも、他の色で模様があれば問題ないかな?」と思われる方もいるかも知れません。しかし、柄があっても黒や白をベース色にしているネクタイは印象が良くなることはないので、避けるようにしてください。
・シャンパンゴールドなどの奇抜な色
ネクタイの色はあなたの印象を左右するものですが、目立とうとして奇抜な色を着けて行ってしまうと逆効果です。
服装であなたの一般常識も見られているので、就活の場にふさわしいネクタイの色を選ぶ必要があります。「1-1. OKなネクタイの色」で紹介したネクタイの色以外は極力避けるようにしましょう。
・紫色
紫色のネクタイは「神秘的」「芸術的」「高貴」という印象を与えます。掴みどころがなく読めない印象を与えてしまうので、濃淡問わず面接には向きません。この色も避けるようにしましょう。
・派手な色
どんな色のネクタイでも、発色が良過ぎるものは面接では好ましくありません。
特に黄色やピンクのような軽めの色のネクタイを選ぶ場合は、薄い色のものを選ぶようにしましょう。また、ネクタイと合わせてスーツの着こなし方のマナーを知りたい方は「【就活生保存版】失敗しない!スーツのボタンマナーと服装のルール」の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
2. 面接で好印象を残すネクタイの柄と基本
ネクタイの柄を選ぶ時も「1. 心理学から見る面接にふさわしいネクタイの色と基本」でご紹介したように
「ハデすぎない柄」
「面接(ビジネスシーン)に相応しい柄」
この2つの基本さえ押さえておけば、大きな失敗はしません。さっそく具体的に見ていきましょう。
2-1. OKなネクタイの柄
同じ色のネクタイでも、柄によって印象が大きく変わります。 まずは、下の画像をご覧ください。
あなたはこの2つのネクタイを見てどんな印象をもちましたか?
ほとんどの方は
・「大きなドット」柄のネクタイ
→ カジュアルな印象
・「小さなドット」柄のネクタイ
→ 上品な印象
を持たれたと思います。
このように、ネクタイの柄によっても面接官に与える印象は大きく変わっていきます。 もし面接でカジュアルな印象を持たれてしまっては、ビジネスマナーが分かっていないと判断されてしまうので、好ましくありません。
「あなたが与えたかった印象と違う印象を持たれてしまった」ということにならないように、面接で使えるネクタイの柄とともに、その柄が与える印象もここでしっかり知っていってください。
・レジメンタル(ストライプ)
レジメンタルのネクタイが与える印象は「知的なできる男」「基本に忠実」です。
どんな業種の面接でも使える柄なので、最低でも一本は持っておきたい柄です。ただし、ストライプが太過ぎてしまうと大雑把な印象を持たれてしまうので、レジメンタルを選ぶときは写真のように細いラインが入っているものにしましょう。
・小さなドット柄
「2. 面接で好印象を残すネクタイの柄と基本」でもお伝えしましたが、小さなドット柄のネクタイは上品な印象を与えます。
また、存在感があるのにシンプルなため、着回しが効きやすいのも特徴です。 就活では多くの人がレジメンタルのネクタイを着用しますので、ドット柄のネクタイはより面接官の印象に残りやすいです。
・チェック柄
チェック柄のネクタイは親しみやすさや元気さをイメージさせます。
営業職やサービス業などコミュニケーション能力を求められる業界の面接などに着けて行くのをおすすめします。
ただし、チェックに色がたくさん使われているとカジュアル過ぎたり派手な印象を与えてしまうので、地色と合わせて3色に収めるようにしましょう。
・小紋柄
小紋柄のネクタイは「小さなドット柄」のネクタイと同じく上品で落ち着いた印象を与えます。
誰からも好印象を得られるので、小さなドット柄のネクタイか小紋柄のネクタイのどちらかは持っておきたいです。ただし、小紋柄のネクタイを選ぶ際は派手な外国風の紋章や変わった紋章などは避けるようにしましょう。
・無地
無地のネクタイは飾り気がなく控えめな印象を与えます。
そのため、上司の言うことをキチンと聞いてくれるような印象も面接官に与えることができます。 どんな業界でも使用可能ですが、印象には残りにくいので、着用する際は企業が「上司の指示に忠実な人」を求めているのかしっかり調査してからにしましょう。
2-2. NGなネクタイの柄
・ペイズリー
ペイズリー柄のネクタイは個性的でおしゃれ上級者の印象を与えますが、ハデな印象も与えてしまうので面接の場面ではふさわしくありません。
ビジネスシーンではなくプライベートで着用するようにしましょう。
・ブランドロゴ
ブランドのネクタイを着けることは問題ありませんが、ネクタイ全体にブランドロゴが入ったものはいやみに捉えられる可能性があります。
また、ブランドロゴはどうしてもハデになってしまうので、面接の場では相応しくありません。こちらもプライベートで使用するようにしましょう。
・キャラクター柄
キャラクター柄のネクタイは子供っぽい印象を与えるので絶対に避けましょう。
フォーマルなネクタイではないので、面接で着けていると、非常識な人だと思われてしまいます。就活では絶対に使用しないようにしましょう。
また、ネクタイの結び方に自信がない方は「好印象を作るネクタイの結び方|5種を動画でわかりやすく解説」の記事で、直ぐに真似できる結び方を紹介していますので、参考にしてみてください。
3. 直ぐに真似できる業界別・おすすめのネクタイ
面接の時にあなたの個性をアピールすることはもちろん大切です。
大切なのですが・・・
もし、あなたが本気で面接に合格したいと考えるのでしたら、ただ自分をアピールするのではなく面接官に「まさに求めていた人物だ」と思ってもらうことが一番重要になります。
例えば、あなたが金融業界のような「真面目さ・誠実さ」が求められる企業の面接に行った時のことを考えてみましょう。
もし、あなたの数ある長所の中から今回は「明るさ」をアピールしようと思った場合、「1-1. OKなネクタイの色」で触れた黄色や橙色のネクタイを着けて行こうと思うはずです。
もちろん、黄色や橙色の与える印象は「明るさ」なので、あなたが与えたい印象通り面接官に思ってもらうことができます。
しかし、真面目な人が欲しいと思っている面接官にとっては、「悪くはないけど、ちょっと違う」という風に思われてしまうでしょう。これでは、せっかく与える印象をコントロールできたとしても意味がありません。
なので、ネクタイを選ぶ時は、企業がどんな人を求めているのかまで調査して、それに合わせてあなたの印象をコントロールする必要があります。
そのために、ここでは各業界がどんな人を求めているのか、そしてどんなネクタイを着けて行けばその業界が求める人物像通りの印象を与えられるか、ご紹介していきます。
3-1. 能動型人材を求める業界
能動型人材というのは
・チャレンジ精神
・意欲 ・能動型人材
・主体性
・情熱
・行動力
・積極性
・スピード感
・勇気
・前向き
といった言葉に当てはまる人を求める業界の事です。なかでも能動型人材を求める傾向が強い業界は以下の3つです。
業界 | 備考 |
不動産 |
業界問わず、能動的な人を求める傾向があります。 そのなかでも特に不動産業界は事業範囲が広いので、自ら考え行動し、目標を達成する姿勢が必要とされると言われています。 |
食品 | |
鉄鋼 |
・編集部おすすめのネクタイ
能動型人材を求める業界では、「行動的」「積極的」「情熱」「やる気がある」という印象を与える、エンジ色のネクタイがおすすめです。
また、柄に関しては、色の持つ印象が確実に面接官に伝わるように、細い白のラインが入ったレジメンタルでシンプルにまとめるようにしましょう。
・主体的に考え行動し、目標を達成し得る能力を持つ人
・自ら考え、本気になって行動し、責任が取れる人
求人サイトなどで「求める人物像」の箇所にこれらの言葉が書いてある企業は、能動型人材を求めていると言えます。
3-2. 変革型人材を求める業界
変革型人材というのは
・創造性
・好奇心
・問題意識
・型にはまらない
・革新力
・柔軟性
・国際感覚
といった言葉に当てはまる人を求める業界の事です。なかでも変革型人材を求める傾向が強い業界は以下の3つです。
業界 | 備考 |
電気機器 |
電気機器やサービスAは他の業種と比べて「創造性」と「好奇心」を求める傾向があります。 情報通信に関しては「3-4. 地力型人材を求める企業」をご覧ください。 |
サービスA ※1 | |
情報通信 |
※1:ブライダル・ホテル・旅行・エンターテイメント・ スポーツ関連のサービス業
・編集部おすすめのネクタイ
変革型の人材を求めるような業界では好奇心があって行動的という印象を与えるのがベストです。
そのため、「親近感」「明るい」「社交的」な印象を与える黄色のネクタイで好奇心をアピールするのをおすすめします。
柄に関しては「元気さ」や「活動的」という印象を与えるチェック柄のネクタイを合わせてあげれば、相乗効果でより良い印象を持ってもらえるでしょう。
・自由な発想と好奇心をもって、新しい未来を創造できる人
・色々な事に興味を持ち、取り組んできた人
3-3. 協働型人材を求める業界
協働型人材というのは
・コミュニケーション能力
・協調性
・責任感
・リーダーシップ
・明るさ
・真面目
・誠実
・爽やかさ
・素直
といった言葉に当てはまる人を求める業界の事です。なかでも協働型人材を求める傾向が強い業界は以下の4つです。
業界 | 備考 |
サービスA ※1 |
サービス産業は総じて非正規従業員比率が高く、多様な雇用形態の従業員を抱えています。 また、顧客も含めた人の相互作用がサービスの品質を左右することから、協働型人材をもとめると考えられます。 特に、サービスBは無形財を扱うため人的資源への依存度が高く発信力や傾聴力などのコミュニケーション能力が重視されています。 |
サービスB ※2 | |
小売 | |
銀行 |
※1:ブライダル・ホテル・旅行・エンターテイメント・ スポーツ関連のサービス業
※2:情報・人材・マ ーケティング支援・教育関連のサービス業
・編集部おすすめのネクタイ
協働型人材を求める業界では「協調性」や「穏やか」という印象を与えられる緑色のネクタイがおすすめです。
緑色のネクタイを着ける際は、カジュアルになり過ぎないように、小紋柄やドット柄で上品で落ち着いた印象をプラスしてあげてください。そうすることで、銀行などいわゆるお堅い業界でも、緑色のネクタイで好印象を与えることができます。
・周囲の人たちとコミュニケーションを取って、自分自身に磨きをかける勇気ある行動力を持った方
・十分なコミュニケーション力を持ち、自分に関わる人に対しての行動や状況を把握した上で、自ら積極的に参加しグループ全体が能力を発揮できる環境をつくれる人物
3-4. 地力型人材を求める企業
地力型人材というのは
・成長志向
・専門性
・論理的思考
・個性
・健康
・逞しさ
・忍耐力
・バイタリティ
・不屈の精神
といった言葉に当てはまる人を求める業界の事です。なかでも地力型人材を求める傾向が強い業界は以下の2つです。
業界 | 備考 |
情報通信 |
特に「成長志向」「専門性」が求められています。その背景にあるのは、両業種とも既存市場が成熟しているからです。 このような業界では組織全体の価値を上げるために、専門性を磨き個の価値を高めようとする自己成長志向の高い人材が必要とされます。 |
輸送用機器 |
・編集部おすすめのネクタイ
地力型人材を求める業界では「真面目」「誠実」「知的」「堅実」をアピールできる青色のネクタイがおすすめです。
そこにチェック柄を合わせて元気さをプラスしましょう。 そうすることで、知的な印象に加え目標に向かって努力ができると面接官に思ってもらうことが可能です。
「初対面でも好印象に見えるネクタイの選び方5つのポイント」
4. まとめ
面接に臨むにあたって、どんなネクタイを着けて行けばいいのかご紹介してきましたが、いかがでしたか?
面接官はネクタイに注目こそしませんが、その色や柄から無意識にあなたの印象を決めてしまうので、決してないがしろにはできません。たかがネクタイですが、ネクタイ一つであなたの印象は大きく変わってしまいます。
「企業がどんな人材を求めているのか」
「自分は企業が求めている人材のどれにあてはまるのか」
この2点をしっかり調べてから、あなたが与えたい印象のネクタイを選ぶようにしてください。