あなたは、面接で聞かれる質問に何の用意もなく、直感で答えを言ってしまっていませんか?
「喋るのは得意だから用意がなくても大丈夫」
と、思っている方も多いでしょう。しかし、「上手に喋れること」と「面接での適切な回答ができること」は違います。
面接官の質問には、常に何かしらの意図が隠れているのです。
「面接で適切な回答」をするには、その面接官の意図を読み取って、あなたなりの回答をする必要があります。
そこで、今回は面接でよく聞かれる質問の意図を5つの項目に分けてご紹介します。
答える際のポイントと、一言回答例もご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
Outline
1. 考えるべきは質問の意図
冒頭でも述べた通り、面接官の質問には、常に何かしらの意図が隠れています。
例えば、
「今日はどうやって来たんですか?」
「会社の場所、分かりにくくなかったですか?」
という緊張をほぐすための雑談のような会話も、あなたのコミュニケーション能力、言葉遣いなどをチェックしています。
このように、何気ない質問でさえ、面接官には意図があるのです。
質問に直感で答えるのではなく、しっかりと面接官の真意をくみ取って質問に答えるようにしましょう。
2. 必ず聞かれる質問
この章では、転職面接を受ける際に必ず聞かれるであろう質問を5つご紹介します。
Q1. 自己紹介をお願いします
Q2. 前職でやっていた経歴を教えてください
Q3. 当社の志望動機を教えてください
Q4. あなたの長所はなんですか?
Q5. あなたの短所はなんですか?
面接の導入部分で、よくお願いされる自己紹介ですが、イマイチまとまりきらず、グダグダと長引いてしまうということがあるかと思います。
せっかくのアピールの場なのに、あれもこれもと欲張りすぎて、「けっきょく何が言いたいの?」なんて思われてしまっては逆効果です。
面接官は、「求める人物」かを、簡単な経験やスキルの説明から見極めようとする意図があります。
なので、
・1分~2分程度にまとめる
・あなたの職務経験を簡潔語るようにする
ことを、こころがけましょう。具体的な数字を絡められると、なお良いです。
「こいつなんか暗いな・・・」なんてマイナスな第一印象を持たれないために、明るくハキハキとした表情や口調で話すことも効果的です。
いわゆる、「職務経歴」を問いかけてくる質問。
あなたが、どのような業務に携わり、どのような活躍をしたのかを聞いています。
しかし、ここで勘違いしないでもらいたいのが、時系列でやってきたことを話せば良いというわけではないということです。
それは、職務経歴書を読めば分かります。
面接官は「自社で活躍するスキルをもっているかどうか」を見極めようとしているのです。
なので、「応募企業で生かせるスキル」を伝えられる経験を、具体的な数字などを含めて簡潔に話すようにしましょう。
あなたが「どのような配置だと活躍するか」「どのように応募企業で成果を出すか」を面接官に想像してもらえれば、採用に一歩近づけるはずです。
どんなに熱い思いを語っても、「それは他社でもできますよね?」なんてツッコミを受けてしまう場合が、しばしばあります。
「応募企業でなければならない」という明確な志望動機がなければ、どこでも良いのだろうと判断されてしまい、その後の面接は難しいものになってしまうでしょう。
そうならないために、応募企業の
・強み
・特徴、独自性
・業界内でのポジション
などを、しっかりと調べ、客観的に分析する必要があります。
そのうえで、自分がどうして応募企業に入りたいのか、どう貢献するかをしっかりと伝えるようにましょう。
この質問では、本当にあなたの長所や強みを知る目的があります。
深く考えすぎずに、長所や強みを話せば大丈夫です。
ひとつ注意してほしいことは、ただ自分の良いところを羅列するのではなく、
・実績や成功体験を交えた具体的なエピソードを話すこと
・求められている長所を伝えること
の二つをしっかりとおさえることです。
面接官が本当に知りたい情報は短所ではなく、「その短所にどのような形で向き合っているか、改善しようと行動を起こしているか」です。
すべて長所しかない人間というのはなかなかいません。
なので、自分の短所は認め改善しようとする姿勢と、その短所を解決しようとしている問題解決能力をアピールすることが大切です。
「面接で聞かれる長所と短所に隠された意図とは|本番で使える回答10例」で、詳しい回答例を紹介しているので、ぜひご覧ください。
3. 異業種・未経験業種への転職でよく聞かれる質問
ここでは、 異業種・未経験業種への転職でよく聞かれる質問を5つご紹介します。
Q6. なぜこの業種(業界)を志望しましたか?
Q7. 今、あなたの抱える問題はなんですか?
Q8. 私たちの会社で何がしたいですか?
Q9. これまでの一番の失敗は何ですか?
Q10. これまでの成功体験を教えてください
異業種や未経験業種(業界)の場合、志望動機に加えて、この質問をされることがよくあります。
あなたが、なぜその業種や業界に興味を持ったのかを、聞いているように感じますが、もう一歩踏み込んだことを面接官は知りたがっているのです。
この質問がきたら、「業務理解度」や「キャリアプラン」などをしっかりと伝えるようにしてください。
また、未経験の場合、ただのあこがれで志望していないのか面接官は不安に感じています。
なので、明確な志望理由と、前職の経験が応募業種でも役立つことを、しっかりとアピールしましょう。
この質問では、あなたの「課題感」と「精神性」が問われます。
未経験業種・業界への転職の場合、面接官は完璧な業務遂行は求めていません。
自社に入社する際の問題を把握しているか、またその問題を解決しようと努力することができるかを見ているのです。
なので、課題に対して積極的に努力できる姿勢を、具体的に回答することが大切です。
一見、「どんな仕事をしたいのか」を問われているように聞こえますが、あなたの転職に対する「本気度」が問われています。
この質問に答えるためには、業種・業界へのしっかりとした理解が求められるので、おのずと転職に対する本気度が見えてくるのです。
どのような人材になりたいか、そうなるためにどうしたら良いかを熱意を持って伝えることが大切です。
「Q5. あなたの短所はなんですか?」や「Q7. 今、あなたの抱える問題はなんですか?」もそうですが、マイナスのことを聞く質問は、アピール材料では測れないあなたを知りたいという目的があります。
なので、失敗した出来事そのものよりも、その後の行動に注目しています。
「失敗した後、すぐにカバーできる人間」なのか「失敗のまま置いてしまう人間」なのかが重要なのです。
どのように「判断」し「行動」したのかを伝え、そこから何を学び、応募企業でどう生かせるのかアピールできれば完璧でしょう。
「未経験業界のため、成功体験は特にありません。」
と、職務経験の薄さから回答を控えてしまう方が、多々います。
しかし、面接官は応募業者・業界での成功話を聞きたいわけではありません。
どんな仕事のことでもいいので、目的を達成した成功体験や、評価された瞬間の話を聞きたいのです。
積極的に自分をアピールできる質問なので、どんなことでもいいので、しっかりと成功体験を語るようにしましょう。
自慢話になってしまわないように、謙虚な姿勢で成功から得た経験を話すことがポイントです。
4. 経験が浅い方の転職でよく聞かれる質問
ここでは、25歳未満の第二新卒者や、社会人経験の浅い方がよく質問される5つの質問をご紹介します。
Q11. 新卒で入社した会社を辞めた理由は?
Q12. 最近気になったにニュースはありますか?
Q13. 仕事の軸は何ですか?
Q14. あなたにとって仕事とは何ですか?
Q15. 学生時代の活動について教えてください。
主に、第二新卒者がよく聞かれる質問です。
他にも「新卒での就職活動はどうでしたか?」など、「新卒」の時の質問をされるなど複数パターンがありますが、どれも仕事に対する姿勢を知る意図のある質問です。
短い在職期間で転職をしていると、「自社で採用してもすぐ辞めてしまうのではないか?」と思われてしまいます。
なので、仕事に対して意欲的である姿勢を見せる必要があります。
「新卒時、御社が第一志望だったので、リベンジしたいと思い転職を決意しました」
「社会人として過ごすなかで、自分の本当にやりたいことが分かったからです。」
など、企業への熱い思いと、仕事への意欲的な姿勢を見せるポジティブな答えを伝えるようにしましょう。
あなたの趣味・思考と共に、情報収集能力や情報感度、興味の幅など見られる質問です。
選ぶニュースは、どんなものでも良いので、伝え方に気を付けましょう。
テレビで見た事実だけを並べて、感想を言うだけでは、何の意味もありません。
・なぜ気になったか
・どう解釈するか
・どのように感じたか
・そこから何を考えるか
を順序だてて、しっかり伝えるようにしましょう。
面接官によっては、いくら有名なニュースでも知らない可能性があります。
何も知らない相手でも理解できるように、ニュースのポイントを整理しておくのも効果的です。
この質問では、あなたの価値観が企業の理念とマッチしているかを判断しています。
ただ、難しくは考えないでください。
例えば、レトルト食品を扱っているメーカーであれば、「人の生活を支えることのできる企業」というような、その企業の商品やサービスに即した回答をすることが大切です。
そしてこの質問から、その企業の志望動機に繋げていく方法もあります。
ここで、「給与が高いから」や「家から近いから」などと身も蓋もないことは、絶対に言ってはいけません。
「過度な残業がないところです」といった福利厚生に及んだ内容も決して間違いではありませんが、「やる気がないのではないか」と見なされることもあり、表現には注意が必要です。
「Q13. 企業選びの軸は何ですか?」と同じように、ここでも「生活を支える術です」といった身も蓋もないことを言うのは避けましょう。
標準的な回答としては、
「自分を成長させてくれる場所」
というものがあります。
それから、
「コミュニケーション能力を培い、円滑な人間関係を築くことが自分の成長に繋がります」
「最初はできなかった業務も時間が経つうちに覚えて、そのうち後輩に教える立場になりました」
といった前向きなこころざしや具体的なエピソードを交えた内容を加えていくと
・チャレンジ精神、目標達成能力が知りたい!
・企業に貢献するポテンシャルがあるか知りたい!
あなたがどんなことに力を注いできたのか、それを通して得た経験などを確かめる質問です。
単に学生時代に頑張ってきたことを話すだけで意味はありません。
面接官が知りたいのは、その活動を通して得た経験、それを入社後にどのように活かせるのかということです。
なので、学生時代に頑張ったことを話す場合は、
・何故それを頑張ったのか
・どんな苦労や困難があったか
・どのように乗り越えたか
・その経験で何を得たのか
を順番に話しましょう。 この質問はどうしても長くなりがちです。 面接の雰囲気などに応じて、長すぎず、短すぎず、丁度いい長さで話すということも必要です。
5. キャリアアップ転職でよく聞かれる質問
ここでは、 キャリアアップ転職でよく聞かれる質問を5つご紹介します。
Q16. これまでの仕事で成し遂げたことは?
Q17. マネージメント経験はありますか?
Q18. マネージメントする上で気をつけている点は?
Q19. 希望の月収(年収)はどれぐらいですか?
Q20. これから会社にどのように貢献できますか?
この質問に対しては、これまでの仕事における、自身の実績や成果をより具体的にアピールすることが大切です。
「自身の指示したチラシのレイアウトを変更によって、来客数が〇〇%増えました!」
などの具体的な数字を示す成功事例は、面接を有利に進める武器になります。
そういった事例が思い浮かばない場合は、これまで携わった業務や成果から、学んだスキルを具体的に語れるようにすることが必要です。
面接官の意図!
キャリアアップ転職では、個人的なスキルとともに、マネージメントスキルを求められる傾向にあります。
たとえ「管理職」という肩書きではなくとも、プロジェクトを指揮する立場であったり、後輩を指導した実務をしっかりと語れる必要があります。
決して、「これからはみんなを引っ張れる存在になりたいです!」といったような、やる気だけをアピールしないようにしてください。
「Q17. マネージメント経験はありますか?」ではマネージメントの経験の有無を聞かれましたが、この質問で面接官は、あなたの指導力やコミュニケーション能力を見極めています。
仕事を円滑に進めるためには、風通しの良い職場環境が大切です。
「仕事の後、部下と飲みに行くようにしています」
「自分が責任をもち、部下には自由にやらせるようにします」
など、「献身性」を重点においた回答を心掛けてましょう。
「自分が一番結果を出し、チームを引っ張っています」等の回答は、自身のスキルをひけらかしているだけなので、絶対に避けてください。
・会社とマッチする人材かを知りたい!
正直なところ、この質問に対して、「正解」といえる回答はありません。
それは、企業側がどういう意図でこの質問をするのかが、まちまちだからです。
単に常識力をテストしているのであれば、
「御社の規定に従います」
という答えが無難ですが、企業側が本当にあなたの希望額を知りたい場合、満足のいく回答とはいえません。
もちろん、「〇〇万円です!」と自身の希望額をそのまま伝えても、企業側との開きが出るので、注意が必要です。
具体的な数字を伝える場合は、合理性と常識の観点から「前職の給与」をベースにした金額をおすすめします。
キャリアアップの転職において、長いスパンに渡って会社に貢献できる人材を、企業側は求めています。
そういった人材であることをアピールするためには、将来の展望を語れる力が必要となります。
まずは、その会社を志望する「目的」や「動機」、そこに自身の現在の経験やスキルを通してできる、具体的な「目標」を語ることが必要です。
そこから、5年後、10年後の自身のキャリアプランを語るようにしましょう。
そのためには、面接の前に「企業研究」を欠かせません。
企業の「実像」を知ることで、「目的」や「動機」、「目標」に現実味を持たせることができるからです。
6. 答えづらい質問
この章では、転職面接でよく聞かれるけど、答えるのに困ってしまう質問を5つご紹介します。
Q21. 前職の退職理由は何ですか?
Q22. 将来の夢はなんですか?
Q23. あなたが当社の社長だったら何をしますか?
Q24. 残業が多くなるけど大丈夫ですか?
Q25. 何か質問はありますか?
面接官は、前職の退職の際に起きた問題が、自社でも起きるのではないかと危惧しています。
例えば、「人間関係」の問題で退職した場合、「自社でも同様の問題を起こすのでは?」と考えてしまうわけです。
なので、退職理由は前向きな回答をこころがけましょう。
何か目標や、実現したい未来のためのという退職理由ならばネガティブな評価をされることは少ないです。
また、ネガティブな退職理由でも、その問題を「課題」と捉え、改善のために退職したという言い換えも効果的です。
この質問では、大きく「人生観」と「仕事観」が問われています。
「老後の人生プラン」や「独立したい」など、基本的にどんな夢を語っても構いません。
しかし、内定を勝ち取りたいなら、「応募企業でのキャリアの先にある人生の目標」を伝えることをおすすめします。
人の数だけ正解のある質問ですが、応募企業のキャリアの延長にある目標を伝えることで、当然ながら働く意欲や、仕事への本気度を感じ取ってもらうことができるのです。
この質問では、あなたの「柔軟性」が問われています。
思いもよらない事態に、どのように対応するのか、そのプロセスを理論的に話すことが大切です。
さらに、思いもよらない発想で、問題を解決できれば完璧です。
他にも、
「100万円あったら、どうしますか?」
「このボールペンを私に3,000円で買わせるにはどうしたらいいと思いますか?」
など、雑談のような質問から、無理難題までさまざまなタイプの「柔軟性」を聞いてくる質問があります。
答えられないからといって慌てず、理論的な方法を提案してください。
この質問で、残業が許容できないことを伝えてしまうと、面接官に仕事に対する熱意を疑われてしまい、マイナスの印象を持たれてしまいます。
もちろん、「もちろん残業できます!」とイエスマンになる必要はありません。
本来、仕事は就業時間内に最大のパフォーマンスを発揮することが好ましいものです。
なので、就業時間内に仕事をきっちり終わらせることと、もし間に合わない場合は残業にも応じるられると好意的に伝えることが大切です。
あなたの入社に対する熱意や意欲をみるために、この質問が面接の最後されることが多いです。
この質問で、あなたの熱意や意欲を、上手にみせることができれば、面接官の印象に強く残ります。
そのためには、
・会社が求めている人材と自分の経験やスキルが合うことをアピールする質問
・入社後の具体的なイメージが描けるような質問
・面接官をインタビュー相手と見立てて会社の魅力を聞き出す質問
が効果的です。
自分で調べるとわかるような質問は「そんなことも知らないのか」と逆効果になりますので、避けましょう。
7. まとめ
面接官の質問に答える際のポイントは「質問の意図を読み取ること」です。
そこで、今回は、
・転職面接での「質問の意図」をくみ取る大切さ
・転職面接でよくある質問とその意図
をご紹介しました。
転職面接を受ける際は、ぜひ参考にしてくださいね。