肌の調子が崩れやすく、「これってもしかして敏感肌?」と気になっていませんか?
肌荒れや赤み、かゆみなどの症状がくり返し起こっている場合、それは肌が敏感に傾いているサインです。
この記事では、敏感肌について、
をカスタムライフ編集部が徹底調査し、詳しく解説します。
敏感肌に関する正しい知識を、今後のスキンケアにぜひ役立ててくださいね。
なお、この記事では医学的知識に関して専門家に監修をして頂いています。
※化粧品などの商品掲載箇所は除く
東京医科大学病院、東京医科大学八王子医療センターを経て、現在は牟礼の里駅前クリニックで皮膚科外来を担当。うえまつ在宅クリニックでは在宅医療にも携わっている。
◆クリニック公式サイト:http://www.ekimaeclinic.jp
※この記事は2024年9月時点での情報を基に作成しています。
※価格はすべて税込です。
※本記事内の情報は一般的な知識であり、自己判断を促すものではありません。気になる症状がある場合、まずは医療機関に相談しましょう。
1.敏感肌とは?
そもそも敏感肌とは、一般的に「肌のバリア機能が低下し、刺激を受けやすくなった状態」を指します。
肌表面にある角質層には本来、
- 肌内部のうるおいを保つ
- 外部の刺激から肌を守る
という「バリア機能」が備わっています。
この角質層が乾燥などによって乱れると、肌は上の図のように水分が失われやすく、刺激を受けやすい敏感な状態になります。
これって敏感肌?
敏感肌とは、どのような肌の状態を指すのかが曖昧で、「これって敏感肌?」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか?
例えば、次のような症状が見られる場合、肌が敏感に傾いているサインです。
✔ いつもの化粧品なのに、急にピリピリと刺激を感じる
✔ 紫外線、乾燥、汗、花粉などの影響で赤みやかゆみが出る
✔ 肌荒れ、ニキビをくり返しがち
✔ 洗顔後、つっぱり感やかさつきを感じる
✔ 髪の毛や服が肌にあたってかゆくなる
このような状態が、年中ではなく、体調や季節の変化などにより一時的に見られる場合も多くあります。
そのような肌状態は、厳密には「不安定肌」「ゆらぎ肌」などと呼ばれ、慢性的な敏感肌と区別されますが、 一時的であってもバリア機能が低下していることに変わりはありません。
肌が敏感になる原因について知り、思い当たる原因に合った正しい対処を行いましょう。
2.敏感肌のおもな原因
1章で解説したように、肌が敏感な状態になることには「バリア機能の低下」が大きく関わっています。
バリア機能が低下する原因には、大きく「外的要因」と「内的要因」の2種類あり、具体的には次のようなことが挙げられます。
◆外的要因
・間違ったスキンケア
・外気やエアコンによる乾燥
・紫外線によるダメージ
・花粉や大気汚染物質
◆内的要因
・生活習慣の乱れやストレス
・生理前後などホルモンバランスの変化
・加齢による肌の変化
このように敏感肌の原因は一つではなく、さまざまな肌ダメージや肌内部の変化など、複数考えられます。
思い当たる原因に合わせて、適切な対処をしていきましょう。
敏感肌が気をつけたいスキンケア方法や生活習慣については、記事下部の「敏感肌に関するQ&A」内で詳しくご紹介します。
▷花粉による肌への影響が気になっている方は、別記事の「花粉で肌荒れになる原因は?花粉皮膚炎を防ぐスキンケア方法&対策3選」で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
では続いて、敏感な肌にはどのような化粧品を選べば良いのかについて見ていきましょう。
3.敏感肌の化粧品選びのポイント
敏感な肌には、美容のために使っているはずの化粧品が、かえって刺激となってしまうことがあります。
そこで、ここからは敏感肌でも使いやすい化粧品の選び方についてご紹介します。
敏感肌の化粧品選びでは、以下の2点が大きなポイントとなります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①低刺激性のものを選ぶ
なるべく肌に負担をかけずに使えるアイテムを選ぶには、以下のような「低刺激性」を示す表記をチェックしてみましょう。
・〇〇無添加 (アルコール、合成着色料、合成香料など)
…刺激になりやすい成分不使用の表記
・〇〇テスト済み※ (パッチテスト、アレルギーテストなど)
…肌刺激に関する試験を通過した表記
※すべての人に肌刺激が起こらないというわけではありません。
こうした表記を目印にすると、敏感肌にぴったりの化粧品を見つけやすくなりますよ。
化粧品のなかでも特に、クレンジング・日焼け止めは、アイテムの種類によって肌にかかる負担が大きく異なることがあります。
比較的、刺激が少なく敏感肌におすすめなのは、
▷クレンジング:洗い流すミルク・バーム・クリーム
▷日焼け止め:ノンケミカル処方(紫外線吸収剤不使用)
といったタイプのものです。
▷敏感肌におすすめの日焼け止めについては、別記事の 「敏感肌向け日焼け止め人気ランキング2024|美容のプロおすすめの11選」で詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
②高保湿なものを選ぶ
敏感肌対策では、肌のバリア機能を高めるために、乾燥を防ぐことが大切です。
そこで、高保湿な成分が配合された化粧品を選びましょう。
・セラミド
・ヒアルロン酸
・コラーゲン
・スクワラン
これらの保湿成分は、肌や皮脂に含まれるうるおい成分に類似しており、肌なじみが良いため特におすすめですよ。
肌荒れやニキビが気になる場合は、以下のような炎症を抑える有効成分(抗炎症成分)が配合されている化粧品がおすすめです。
▷抗炎症成分の例
・グリチルリチン酸ジカリウム
・グリチルレチン酸ステアリル
・アラントイン
記事下部の「Q5.おすすめの敏感肌向けブランドは?」では、敏感肌の方から高い支持を得ている人気ブランドをご紹介するので、気になる方はぜひご覧ください。
4.敏感肌に関するQ&A
ここからは、敏感肌について知っておきたい知識などを、Q&A形式でご紹介していきます。
敏感肌の知識について
Q1.乾燥肌以外の肌質でも敏感肌になるの?
Q2.敏感肌は治せるの?
スキンケアについて
Q3.敏感肌のスキンケアで気をつけることは?
Q4.敏感肌向けの化粧品を使い続けると肌が弱くなるの?
Q5.おすすめの敏感肌向けブランドは?
Q6.はじめて使う化粧品が肌に合うか知りたいときは?
生活習慣について
Q7.敏感肌が気をつけたい生活習慣は?
Q8.敏感肌におすすめの食べ物は?
気になる項目をチェックしてみてくださいね。
Q1.乾燥肌以外の肌質でも敏感肌になるの?
A.肌質に関係なく、敏感に傾くことがあります。
乾燥が原因で敏感になっている肌は、「乾燥性敏感肌」と呼ばれ、敏感肌のなかでも特に多いとされています。
しかし、敏感肌の原因は乾燥だけではなく、環境や生活習慣の乱れなどさまざまです。
また、混合肌や脂性肌でも、皮脂バランスが崩れることで肌が荒れ、赤みやかゆみなどの症状がくり返されることがあります。
どの肌質でも、正しい方法でスキンケアを行うことが大切です。
詳しくは、「Q3.敏感肌のスキンケアで気をつけることは?」でご紹介します。
Q2.敏感肌は治せるの?
A.原因に合う対策を続けることで、改善、または症状の緩和が期待できます。
2章「敏感肌のおもな原因」で解説したように、肌が敏感になる原因はさまざまですが、 おもに、
- 肌の保湿・保護を徹底する
- 生活習慣を整える
といったことに気をつけると、肌を健やかに保つことができますよ。
詳しくは、次のQ3以降でご紹介します。
Q3.敏感肌のスキンケアで気をつけることは?
A.「スキンケアはこすらずやさしく」「紫外線対策は毎日」を習慣にしましょう。
間違ったスキンケアを続けていると、バリア機能が低下し、肌はどんどん敏感な状態に。
次のようなNGスキンケアに思い当たるものがあれば、今日から改善しましょう。
◆クレンジング・洗顔編
✖ クレンジングに時間をかけている
✖ 洗顔料をしっかり泡立てずにゴシゴシこすっている
✖ 40℃以上の熱いお湯で洗っている
⇒ゴシゴシこすらず泡でやさしく洗い、ぬるま湯(38℃程度)で流すのが◎
◆保湿化粧品編
✖ 化粧水をパッティングしてつけている
✖ 肌を引っ張って乳液やクリームをつけている
⇒ハンドプレスでやさしくなじませるのが◎
◆紫外線対策編
✖ 夏の晴れた日しか対策しない
✖ 日焼け止めを朝使ってから塗り直さない
⇒紫外線対策は毎日行い、日焼け止めは2~3時間を目安に塗り直すのが◎
このように、
- スキンケアはこすらずやさしく
- 紫外線対策は毎日徹底
といった習慣が、敏感肌を改善する鍵になりますよ。
Q4.敏感肌向けの化粧品を使い続けると肌が弱くなるの?
A.そのような心配はありません。
敏感肌向けの化粧品は、アルコールや合成香料など、刺激になりやすい成分を使わずにつくられた、低刺激性の処方となっています。
低刺激性の化粧品を使い続けたからといって、刺激に対する肌の耐性が弱まることはありません。
自分の肌に合う化粧品を使い、負担をかけずに必要なスキンケアを行うことが大切ですよ。
Q5.おすすめの敏感肌向けブランドは?
A.敏感肌の方から高い支持を得ている、人気ブランドを5つご紹介します。
敏感肌向けの化粧品ブランドのなかでも、特に人気が高くおすすめのブランドを厳選し、以下に5つご紹介します。
※掲載する商品は、編集部独自の調査で選定したものです
※価格帯の参考として、「化粧水」の価格を表記しています
おすすめの敏感肌向けブランド5選 (ブランド名クリックで各公式サイトをご覧になれます) |
|
---|---|
dプログラム ✔ 50年をこえる敏感肌研究から誕生 ✔ 外的刺激※から肌を保護するシリーズも展開 ※花粉、紫外線、寒暖差など 化粧水価格:3,740円/125mL (モイストケア ローション MB) |
|
ETVOS(エトヴォス) ✔ バリア機能を守るシンプル処方コスメ ✔ スキンケアからメイクまで幅広く展開 化粧水価格:3,630円/150mL (モイスチャライジングローション) |
|
NOV(ノブ) ✔ 臨床皮膚医学に基づいて開発 ✔ 敏感度のレベルに合わせたラインナップ 化粧水価格:4,400円/120mL (フェイスローション) |
|
FANCL(ファンケル) ✔ 鮮度にこだわった無添加化粧品 ✔ 保湿から洗うスキンケアまで充実 化粧水価格:1,540円/30mL (モイストリファイン化粧液) |
|
Arouge(アルージェ) ✔ 製薬会社ならではの高度な技術で開発 ✔ 抗炎症成分配合で荒れてしまった肌にも◎ 化粧水価格:2,530円/150mL (モイスチャーミストローション) |
|
気になるブランドがあれば、公式サイトをチェックしてみてくださいね。
Q6.はじめて使う化粧品が肌に合うか知りたいときは?
A.使用前に、簡易パッチテストを行いましょう。
使ったことがない化粧品を使うときには、サンプルなどを活用して事前にパッチテストを行い、赤みやかぶれなどを起こさないか確認しましょう。
①ガーゼつき絆創膏に化粧品をつけて、二の腕の内側に貼る
※絆創膏でかぶれやすい方は直接つけてOK
②水に濡らさないようにし、そのまま1日~2日置く
③1日~2日経ったら絆創膏をはがし、赤みやかぶれがないかチェック
もし赤みやかぶれが出た場合は、刺激になる成分が含まれている可能性が高いため、使用は控えてください。
「どんな成分が自分の肌に合わないの?」と気になる場合は、皮膚科で受けられるパッチテストで調べることができますよ。
皮膚科でのパッチテストは、化粧品を検査に適した濃度に調整してパッチテストユニットに塗り、背部や上腕に貼り付けます。48時間後にテープをはがし、48時間後、72時間後、1週間後に判定を行います。また、一般的にかぶれる頻度の高い成分を24項目まとめて検査する「パッチテストパネル検査」という方法もあります。
Q7.敏感肌が気をつけたい生活習慣は?
A.「良質な睡眠」と「適度な運動」を心がけましょう。
乾燥や紫外線など肌への直接的なダメージだけではなく、生活習慣の乱れやストレスなども、 肌の健康状態を大きく左右します。
特に気をつけたいのは、
- 良質な睡眠
…睡眠は、健康な肌を維持する「成長ホルモン」が分泌される大事な時間 - 適度な運動
…血行促進、ストレス発散などの効果により、肌の調子が整う
の2つです。
良質な睡眠のポイント
✔ 起きる時間をなるべく一定にし、リズムを整える
✔ 眠る直前までスマホやテレビなどを見ない
✔ 睡眠時間の目安は約6時間
適度な運動のポイント
✔ 心地よいと感じ、軽く汗ばむ程度の運動を行う
✔ 20~60分程度、 習慣的に行う
✔ ウォーキング・ジョギング・ストレッチなどがおすすめ
適度な運動を習慣的に行うことによって、寝つきが良くなりやすく、睡眠の質を高めることにもつながりますよ。
Q8.敏感肌におすすめの食べ物は?
A.ビタミンA・C・EやビタミンB2・B6を含む食材がおすすめです。
敏感肌には、肌の新陳代謝や血行を促すなど、バリア機能を高めてくれる食材がおすすめです。
例えば、次のようなものが挙げられます。
敏感肌におすすめの栄養素と食材 | |
ビタミン A・C・E |
緑黄色野菜、柑橘類、アーモンドなど |
ビタミン B2・B6 |
魚介類、納豆、レバーなど |
これらの食材を積極的にとり入れ、バランスの取れた食事を心がけてくださいね。
食事の栄養バランスが偏ってしまった場合は、ビタミン剤やドリンクなどを使って摂取するのも一つの方法です。
Q9.肌が敏感なときのメイク方法は?
A.比較的刺激が少ない「パウダータイプ」のベースメイクがおすすめです。
パウダーファンデーションやルースパウダーなどは、リキッドやクリームと比べて付け心地が軽く、メイクオフの負担も軽減されるためおすすめです。
「保湿ケア⇒日焼け止め(または日焼け止め兼用下地)⇒ベースメイク」の順に行い、乾燥や紫外線の対策も徹底してくださいね。
Q10.対策しても敏感肌の症状が治まらない場合は?
A.無理にセルフケアを続けず、早めに皮膚科を受診しましょう。
正しい対策をしていても敏感肌が治まらない場合や症状が悪化している場合は、例えばアレルギーなど、 自己判断が難しいところに原因があるかもしれません。
そのため、セルフケアで対応できないときには早めに皮膚科を受診してくださいね。
お肌の赤みやかゆみが強く、症状が長引く場合は皮膚科を受診してください。
5.まとめ
今回は「敏感肌」について、症状や原因、対策などを詳しくご紹介しました。
最後に、ポイントをもう一度まとめます。
敏感肌とは
…一般的に「肌のバリア機能が低下し、刺激を受けやすくなった状態」を指す
敏感肌のおもな原因
◆外的要因
・間違ったスキンケア
・外気やエアコンによる乾燥
・紫外線によるダメージ
・花粉や大気汚染物質など
▷化粧品選びのポイントを見る
▷スキンケア方法のポイントを見る
◆内的要因
・生活習慣の乱れやストレス
・生理前後などホルモンバランスの変化
・加齢による肌の変化
▷生活習慣のポイントを見る
▷食事のポイントを見る
敏感肌のサインを感じたら、原因に合わせた正しいケアで、肌を健やかに保ちましょう。
ニキビができやすい方には「ノンコメドジェニック化粧品」がおすすめです。「コメド」とは、毛穴に皮脂や角質などが詰まって膨らんだ状態=ニキビができる一歩手前の状態を指します。「コメドができにくい」ということは、ニキビができにくいということです。