30~40代で、まだ加齢臭が発生するような年齢ではないはずなのに、
「家族に臭うと言われた」
「自分の臭いが周りに迷惑かけていないか心配」
などと、体臭に不安を抱えていませんか?
その臭いは、加齢臭ではなく「ミドル脂臭」かもしれません。
今回この記事では、編集部による調査のもと、
といった知識を徹底解説します。
ぜひこの記事を参考に、臭いのお悩みを解消して自信を取り戻してくださいね。
なおこの記事では、医学的知識に関して専門家に監修をしていただいています。
※デオドラント用品などの商品掲載箇所は除く
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※この記事は2024年9月時点での情報を参考にしています。
※価格はすべて税込です。
1.ミドル脂臭とは
30~40代の方で、体臭を指摘されたり、臭いの自覚がある場合、その臭いは加齢臭ではなく「ミドル脂臭」かもしれません。
ミドル脂臭とは、男性の体臭研究を行う『マンダム』が2013年に発見した臭いの1つで、加齢臭や汗臭に並ぶ「第3の臭い」とされています。
ミドル脂臭の特徴は以下の通りです。
・使い古した油のような臭い
・30代半ば~40代で発生しやすい
・頭部やうなじから発生
50代から本格的に発生する加齢臭とは異なり、ミドル脂臭は比較的若い年齢で発生するのが大きな特徴です。
ミドル脂臭は、以下のチェックリストで簡単に確かめることが可能ですよ。
ミドル脂臭チェックリスト ☐30~40代である ☐頭部や枕が臭う ☐肥満気味である ☐運動習慣がない ☐肉をよく食べる ☐頭皮がベタつく ☐ストレスが多い |
該当する項目が多く、「ミドル脂臭かもしれない」と心当たりがあった方は、まずは臭いの原因など正しい知識をつけてから、臭い対策を行いましょう。
2.ミドル脂臭の原因と臭い発生のメカニズム
この章では、ミドル脂臭の原因と、臭いが発生する仕組みを解説します。
ミドル脂臭特有の使い古した油のような臭いのもとは、汗に含まれる乳酸が皮膚の常在菌に分解されてできる「ジアセチル」という成分です。
30代半ば頃になると若い頃に比べて汗を分泌する汗腺の働きが低下し、汗の中に乳酸が多く分泌されるようになります。そのため、「ジアセチル」が産生されやすくなるのです。
この「ジアセチル」に「頭皮の皮脂(中鎖脂肪酸)」が加わることで、ミドル脂臭と呼ばれる強い臭いが発生します。
◆ミドル脂臭発生の過程
1:エクリン腺(汗腺)が乳酸を含んだ汗を、皮脂腺が皮脂を分泌
2:頭皮の常在菌(ブドウ球菌)が乳酸と皮脂を分解
3:臭いを発生させるジアセチルと中鎖脂肪酸が発生し、臭いが混ざり合ってミドル脂臭が発生
また、ジアセチルは、
・少量でも強い臭いを放つ
・臭いが広がりやすい
という性質を持ちます。
このようにミドル脂臭は、発生してしまうと周囲の人が感知しやすい上に、かなり不快指数の高い臭いとして感じられるので、適切な臭い対策を行う必要があります。
女性の臭いケアも4章でご紹介している対策と同様ですので、臭いでお悩みの女性はぜひチェックしてみてくださいね。
3.加齢臭や汗臭との比較
この章では、ミドル脂臭を加齢臭や汗臭と比較し、どのような違いがあるのかを解説します。
まずは、こちらの比較表から見ていきましょう。
◆加齢臭・汗臭との比較表
臭いの 種類 |
好発 年齢 |
発生 部位 |
臭いの 特徴 |
主な 原因物質 |
ミドル脂臭 | 30~40代 |
後頭部、頭頂部、 うなじ |
古い油の臭い | ジアセチル |
加齢臭 | 50代半ば |
胸、背中、うなじ、 脇、頭、耳の後ろ |
枯草、古本の臭い | ノネナール |
汗臭 | 全年齢 |
脇を中心とした 全身 |
酢のような臭い | 皮脂、垢、雑菌 |
上記の表のように、3つの臭いは、発生しやすい年齢・発生する部位・臭いの特徴・原因となる物質など、さまざまな点が異なります。
また、以下のように男性の「加齢に伴う3つの臭いの変化」に注目してみると、ある傾向が見えてきます。
◆男性の加齢による臭いの変化
(https://www.lucido.jp/library/smell/をもとにカスタムライフ編集部が作成)
グラフの通り、「40代」は汗臭に加えて、
・ミドル脂臭発生のピーク
・加齢臭が徐々に発生し始める
という、3つの要素が重なる時期。
つまり、40代はあらゆる年齢の中でも、「特に入念な臭いのケアが欠かせない年齢層」ということがわかります。
ミドル脂臭や加齢臭、汗臭にお悩みの方も、次の章からご紹介する対策でケアできるので、ご心配は不要ですよ。
ツンと鼻をつくようなアンモニア臭が全身から漂う場合は、肝臓や腸の病気が潜んでいる可能性があるため、注意が必要です。
このようなアンモニア臭は、デオドラントケアで消すことはできません。早めの治療が必要な病気の可能性もありますので、できるだけ早めに病院を受診しましょう。
※病的な体臭については、「Q3.通院した方がいい体臭もある?」でも解説しています。
4.おすすめのミドル脂臭対策4選
ミドル脂臭は、毎日のセルフケアで、十分に対策することができます。
臭いを防ぐために大切なポイントは、体の内側と外側からの「2重のアプローチ」。
ここでは、ミドル脂臭対策を、以下の4つに分けて解説します。
それでは、順に解説していきます。
①体臭が発生しにくい食事を摂る
体臭は、摂取する食べ物によって、改善できることがあります。
主食・主菜・副菜のバランスが取れたメニューを基本に、以下の食材を積極的に摂取しましょう。
・アルカリ性食品
…梅干し、めかぶ、わかめ
・腸内環境を整える食材
…オリゴ糖、ヨーグルト、納豆、食物繊維
・抗酸化食品
…お茶、コーヒー、緑黄色野菜
反対に、酸性食品(肉類)や脂質の多い食事は、皮脂を増やし体臭を悪化させてしまうため、控えめに摂取するのがおすすめですよ。
②適度な運動、入浴で汗腺を鍛える
汗を出す器官の「汗腺」の働きが低下すると、臭いやすくベタつきのある汗が出るようになります。
質のいい汗(さらさらで臭いにくい汗)を出すには、以下の方法で汗腺を鍛えるのが効果的です。
・ウォーキングなどの有酸素運動
…毎日20~30分程度、汗ばむ程度の速さでのウォーキング
・10~15分程度のぬるま湯での半身浴
…高温では汗腺が働かないので、38℃前後のぬるま湯に浸かる
また、運動や入浴の他にも、お酢や柑橘類に含まれるクエン酸を摂取すると汗腺の機能を高めることができるとされています。
入浴中は、汗腺の働きを高める絶好のタイミングです。
時間に余裕のある時は、以下の入浴法を試してみてください。
汗腺トレーニング
1:浴槽の3分の1~半分程度を42~43度のお湯で満たし、ひざ下とひじ先だけ10~15分浸かる。
※浴槽に椅子を置き、座った状態で手足をお湯に浸けるのがおすすめです
2:浴槽に水を足し、36~38度に調整して、みぞおちまで10~15分浸かる。
3:浴槽から上がり、軽く肌の表面をタオルで拭き自然と汗が蒸発するのを待つ。
③ミドル脂臭対策用アイテムを活用する
マンダムの研究によると、フラボノイドを含有する数種の植物エキスが、ミドル脂臭の原因であるジアセチルの発生を抑えることがわかっています。
フラボノイドを含有する植物には、次のようなものがあります。
カンゾウ、クスノハガシワ、ユキノシタ、ケイヒ、ビルベリーなど
上記のような成分を配合した、
・ボディペーパー
・デオドラントスプレー
・ボディソープ
・シャンプー
などのアイテムを使って、体表についた皮脂や臭いの元を、こまめに取り除きましょう。
アイテムは、ミドル脂臭用に作られたマンダムの「ルシード」シリーズがおすすめですよ。
▼マンダム ルシード シリーズ
※掲載するアイテムは、編集部独自の調査で選定したものです。
40代男性向けの、肌や体臭、髪などのお悩みをケアするブランド「LUCIDO(ルシード)」。
ミドル脂臭に有効な、「植物フラボノミックス」を配合したさまざまなアイテムを展開しています。
男性向けブランドですが、体臭でお悩みの女性にもおすすめですよ。
※クリックで公式サイトに飛びます
1:薬用スカルプデオシャンプー ※画像はパッケージリニューアル前の商品
2:薬用ヘア&スカルプコンディショナー ※画像はパッケージリニューアル前の商品
3:薬用デオドラントボディウォッシュ ※画像はパッケージリニューアル前の商品
4:薬用 頭皮とカラダのデオドラントジェットスプレー ※製造終了
5:カラダと頭皮のデオペーパー
④シャンプーで正しい頭皮ケアを行う
頭皮の皮脂はミドル脂臭を悪化させる要因になります。
皮脂は、加齢とともに汗腺の働きが低下して「さらっとした質感➨ねっとりした質感」に変化することがわかっており、ミドル世代の皮脂は落としにくい、という特徴があります。
そのため、頭皮に溜まった皮脂や汚れを、毎日のシャンプーでしっかりと洗い流すことが大切です。
以下の手順で、正しい頭皮ケアを行いましょう。
1:乾いた状態の髪をブラッシングし、汚れを浮かす
2:38~40度のお湯で、頭皮を予洗いする
3:シャンプーを泡立て、額の生え際から襟足まで全体を2往復程度洗う
4:すすぎ残しがないように、髪の根元からシャワーを当てて洗い流す
シャンプーのポイント
イラストの①~④の順に、指の腹を使ってマッサージするように揉みこんで洗いましょう。
ミドル脂臭が発生しやすい頭頂部~うなじ(①②③)にかけては、洗い残しがないように丁寧に洗うと◎。
洗髪の際には、「③ミドル脂臭対策用アイテムを活用する」でご紹介したミドル脂臭ケアができるシャンプーやコンディショナーを使うのがおすすめです。
また、洗髪後は髪の水分をタオルで優しくふき取り、ドライヤーを使って髪を乾かすことで、頭皮の雑菌が繁殖するのを抑え、清潔な状態をキープできますよ。
いかがでしたか?
今回ご紹介した4つの対策を全て取り入れるのが理想ですが、難しいという方は、どれか1つからでも実践してみてくださいね。
5.体臭に関するお悩みQ&A
この章では、ミドル脂臭をはじめ、体臭に関するよくある疑問を、Q&A形式でお答えします。
ぜひ、気になる質問からチェックしてみてください。
Q1.自分の臭いを客観的に知るには?
A.臭いをチェックするツールの使用がおすすめです。
自分の体臭を客観的に知ることは難しいうえ、臭いはデリケートな問題なため、周りからも本人に指摘しにくいのが現状です。
また、自分の体臭は鼻が慣れてしまっているため、気が付きにくいもの。
そのため、無自覚に臭いを放ち、周囲が迷惑するスメルハラスメントの加害者になっているのではないか、とお悩みの方は多いんです。
「臭っているかもしれない…」と不安な方は、以下のツールを使うのもおすすめですよ。
▼においチェッカー ES-100
※掲載するアイテムは、編集部独自の調査で選定したものです。
においを、マネジメントするチェッカー「においチェッカー ES-100」。
臭いを調べたい部位に本体をかざせば、臭いの強度を11段階で確認することができます。
ミドル脂臭のほか、加齢臭や汗臭、疲労臭など、全身の臭いに対応していますよ。
【商品名】タニタ においチェッカー ES-100
【価格】27,325円~※編集部調べ
【製造国】中国
【電源】DC3V 単4アルカリ乾電池(LR03) x 2本
※販売終了
Q2.妻や娘に臭いを指摘されたけど、自分ではわからないのはなぜ?
A.男性よりも女性の方が臭いに敏感に反応しやすいためです。
自分の体臭に慣れているから、という理由のほか、「女性の方が臭いに敏感」だから、という理由も。
特にミドル脂臭は、「つわり臭」という別称があり、男性よりも女性の方が不快な臭いとして反応しやすい傾向にあります。
また、マンダムが行った調査によれば、ミドル脂臭は女性の方が敏感に感知し、不快に感じることが多いとのことです。
自分が臭っていないか気になるときは、奥さんや娘さんなど身近な女性に尋ねてみるのもいいかもしれません。
Q3.通院した方がいい体臭もある?
A.体臭対策を継続しても改善しない場合や、臭いが強くなっている場合、原因を特定するためにも受診をおすすめします。
ミドル脂臭や加齢臭、汗臭は健康上の問題はありませんが、以下のように体臭を発する病気も存在します。
・脂漏性皮膚炎をはじめとする皮膚の病気
・糖尿病、肝臓・腎臓など内臓の病気
また、臭いのせいで強いストレスを感じる場合も、無理をせずに皮膚科に相談するようにしましょう。
近年の臭いエチケットの高まりに伴い、実際はそれほど臭いがないにも関わらず「自分は強い臭いがあるのではないか」と思い込み、強いストレスを感じる方が増えています。
繊細で几帳面な性格の方は、このストレスが悪化すると、体臭がひどいと思い込む「自臭症」という心の病気になってしまうケースも。
臭いのお悩みを抱えている方は、1人で思いつめず、通院し医師に相談することをおすすめします。
6.まとめ
今回は、「ミドル脂臭」について、加齢臭や汗臭と比較しながら解説しました。
最後に、ミドル脂臭の対策をまとめます。
《内側からのケア》
①体臭が発生しにくい食事を摂る
②適度な運動、入浴で汗腺を鍛える
《外側からのケア》
③ミドル脂臭対策用アイテムを活用する
④シャンプーで正しい頭皮ケアを行う
ぜひこれらの対策を実践して、ミドル脂臭のお悩みを解決してくださいね。
ミドル脂臭は男性だけではなく、女性にも起こります。
女性は30代半ば頃から徐々に女性ホルモンの分泌量が低下していきます。
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは皮脂の分泌を抑える作用があるため、エストロゲンの分泌量が減ると皮脂の分泌量はアップ。
その結果、中鎖脂肪酸が増えてミドル脂臭が引き起こされるのです。