転職することは難しいと言われている50代でも、
「リストラされて仕事が見つからない」
「定年後も長く続けられる仕事がしたい」
などの理由から、転職、再就職を考えている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、編集部が50代の転職成功者に実施したアンケート結果を基に、
・50代の転職事情
・50代転職の成功の秘訣
・おすすめの転職方法
を、体験談を交えてご紹介します。
50代の転職に必要な情報が揃っているので、この記事を参考にして、ぜひ50代の転職を成功させてくださいね。
先に、50代の転職におすすめの転職サービスが知りたい方は「4. 50代転職におすすめの転職サイト・転職エージェント」をご覧ください。
(※この記事は、2017年8月時点での情報を参考にしています。)
1. 50代の転職は役職やキャリアがないと厳しい
50代の転職は、年齢の問題からとても厳しくなるのが現実です。
求人を出す企業は、50代の人材が欲しいのではなく、「それ相応のキャリアやスキルのある人材」を求めています。
つまり、同じようなスキルをもつ若い求職者と比べられた時、組織の人的バランスや、働いてもらえる期間などを理由に、選考段階で負けてしまいます。
そのため、50代の転職では、企業が求めるような
・即戦力としての実務遂行能力
・チームをまとめるマネージメント能力
など、年齢的に不利な50代でも転職してもらいたい、と思ってもらえるような役職やスキルが必要です。
また、特別なスキルやキャリアが求められない求人もありますが、業界や業種は限定されてしまうので、50代で理想の転職を叶えるのは至難の技だと言えるでしょう。
2. 50代での転職体験談と成功の秘訣
この章では、実際に50代で転職した方にアンケートを実施して分かった50代のリアルな転職事情を体験談と共にご紹介します。
2-1. 収入ダウンを受け入れることが大切
◆実際に転職した方の体験談
・教員→福祉支援員
・転職期間:半年(収入ダウン)
教員から小さなNPO団体への転職だったので給料は下がりました。多少の蓄えはありましたし、末の子は県立の高校生で学費などもあまり必要なかったので、50代での転職を希望しました。別の仕事がしたかったので、迷いなどはありませんでしたが「今の安定した職を捨てるの?」「後10年頑張ってから再就職じゃダメなの?」「もったいない」と周りの方々にとても驚かれました。未経験の転職は厳しいので、少なからず、これまでの経験が役立てる職種なら転職できる確率は高いです。また、希望している会社がダメだった場合を考え、たくさんの会社をチェックしていました。見学可能な場所などは積極的に訪れました。
(50代・女性)
50代の転職では、収入が大幅に下がる可能性が高いです。
今回、実施したアンケートでも収入が上がったという方はほとんどおらず、月収が半分以下になったという方も少なくありませんでした。
その代わり、
「他の面での待遇が良くなった」
「業務的にはかなり楽になった」
など、収入面以外でのメリットを感じている方が多くいました。
50代での転職は、エグゼクティブ(管理職)クラスの求人を含め、収入アップは難しいため、「収入が下がってしまうのは仕方がない」と割り切り、
・業務内容や収入以外の待遇面
・定年後も長く続けていける仕事
など、収入以外での転職の目的や、最低限譲れない転職条件を持って、転職活動にのぞむことが50代の転職では大切です。
2-2. 自分を客観的に判断することが大切
◆実際に転職した方の体験談
・建設作業員→建設特殊作業員
・転職期間:4ヶ月(収入アップ)
転職には、時間がかかりましたが、日々転職への意識を持ち続けることで、無事に転職に成功しました。しかし、50代の求人のほとんどが正社員ではないので、正社員での求人を見つけるのに苦労しました。求人があったとしても倍率が高かったり、希望の職種ではない場合がほとんどでした。なので、資格をきちんと取ってそれを生かせる仕事に絞った結果、正社員として無事に転職することができました。資格をとり、できることが増えたので、給料は上がりました。また、現場では経験を頼りにされることもあり、とてもやりがいを感じられるようになりました。
(50代・男性)
・水産物の販売⇒ホテルの板前
・転職期間:半年(収入ダウン)
会社が倒産してしまい、同じような給与の転職先を探しましたが、この年で同じ給料を出すところはありませんでした。そのうち求人すら、なかなか見つからず、やっと見つけたものも給料は今までの半分以下にまで落ちてしまいました。しかし、仕事的にはかなり楽にはなったので、年も年だし給料の面では半分以下でも仕方ないかなと思います。この年代での転職となると、何らかの免許などがないと正社員になるのですら苦労します。成功の秘訣は妥協することだと思いました。
(50代・男性)
50代の転職では、転職活動が長期化することが多いです。
実際、50代の求職者のうち約3割が、転職するまでに7ヶ月以上かかることが明らかになっています(『ミドルの「転職期間」調査』参照)。
今回のアンケートでも「半年」という回答者がもっとも多かったです。
しかし、3ヶ月以内に転職活動を成功させている方も、一定数存在します。
そんな早い段階で転職を成功させる方と、長期化してしまう方の大きな違いは「自分自身のことを客観視できているかどうか」です。
長期化してしまう方の多くは、自分の市場価値を勘違いし、不相応の求人応募を繰り返すことが原因です。
そのため、ハローワークや転職エージェントなどの、第三者の立場から客観視して求人を紹介してくれるサービスの利用がおすすめです。
2-3. どんな仕事でもやる意気込みが大切
◆実際に転職した方の体験談
・ホテルの清掃→ホテルの清掃
・転職期間:半年(収入ダウン)
同業界・同職種への転職だったのですが、50代後半ということもあり、雇用形態が正社員から契約社員に変わってしまいました。給料も前職より下がってしまいました。また前職では管理職として働いていましたが、現職では契約社員なので、管理職としての業務はありません。しかし50代でも雇って貰えるだけ有り難いという意気込みで毎日の仕事に通っています。50代での転職活動は相当苦労します。企業側は若い人が欲しいようなので、どんな仕事でもやる意気込みがなければ、なかなか厳しいです。
(50代・男性)
・国家公務員⇒警備員
・転職期間:2ヶ月(収入ダウン)
諸事情により退職をしたため、仕事を選ぶヒマはありませんでした。そのため、やれそうな仕事は片っ端から面接を受けました。そのおかげか、約二ヶ月程で転職することができました。前職と違い肉体労働なので苦労もありましたが、少しずつ昇進もできているので、やりがいを持って働けています。ただ、全く違う職種なのではじめから順調にいかず、慣れるまで苦労しました。
(50代・男性)
収入が下がったり、転職活動が長期化する以前に、50代の求職者は転職自体できない可能性もあります。
そもそも50代を歓迎する求人数が少ない上、正社員雇用や業界・職種の希望などがあると、その求人数はさらに減少します。
そのため、50代の転職では「どんな仕事でもやる」という意気込みが大切です。
今回、実施したアンケートでも、条件を選ばず、応募可能な求人には全て応募している方が転職を成功させています。
場合によっては、「2-1. 収入ダウンを受け入れることが50代の転職では大切」で決めた最低限の転職条件も、諦めなければならない状況もあるでしょう。
次の章では、50代の転職でなるべくご自身の希望に適った転職を実現するための、7つの転職方法をご紹介しているので、ぜひご覧ください。
・接客、サービス業
・ドライバー、警備員
・建設、不動産業界
3. 50代での転職を叶える7つの方法
「2-3. どんな仕事でもやる意気込みが大切」で紹介した通り、50代の転職を成功させるには応募できる求人には可能な限り応募することが大切です。
そこで、この章では、応募できる求人数を増やすために、50代の転職におすすめの7つの転職方法をご紹介します。
全てを実践するのが理想的ですが、編集部おすすめの順番に上から紹介しているので、お時間のない方は、一番上からお試しください。
3-1. 転職サイト
今回のアンケートで、最終的な転職先を見つけた方がもっとも多かったのが「転職サイト」でした。
転職サイトとは、正社員の中途採用情報が掲載されたウェブサイトのことです。
24時間利用可能なので、
・求人情報の検索
・実際の応募
・企業担当者とのやり取り
まで、スマートフォンやパソコンがあれば時間と場所を選ばずに進めることができるので、効率的な転職活動を可能にします。
おすすめの転職サイトは「4. 50代転職におすすめの転職サイト・転職エージェント」で紹介しているので、ぜひご覧ください。
「転職サイトおすすめランキング|転職者100人から学ぶ成功の秘訣」
◆実際に利用した方の体験談
(50代・男性)
3-2. 転職エージェント
「転職エージェント」とは、転職のプロであるキャリアアドバイザーが、あなたと企業とのマッチングをサポートしてくれる転職支援サービスです。
・自分に合った求人の紹介
・応募書類や面接のアドバイス
・スケジュール管理や条件交渉
まで、あなたの市場価値を客観的に評価して、転職活動をトータルにサポートしてくれます。
便利なサービスではありますが、一定の条件を満たしていないと、求人を紹介してくれない場合があるので注意が必要です。
おすすめの転職エージェントは「4. 50代転職におすすめの転職サイト・転職エージェント」でご紹介しているので、ぜひご覧ください。
「転職エージェントおすすめランキング|転職成功者100人の評判比較」
◆実際に利用した方の体験談
(50代・男性)
3-3. ハローワーク
「ハローワーク」とは、厚生労働省が運営する就職支援・雇用促進のサービスです。
全国550箇所(付属施設含む)に拠点を置き、常駐する施設職員に相談に乗ってもらいながら、転職先を見つけることができます。
施設を訪れれば、誰でも簡単に利用できる反面、「転職サイト」などと違い、企業が無料で求人を出稿可能なため、求人の質にばらつきがあるので注意が必要です(※)。
インターネットで求人情報の検索が可能な「ハローワークインターネットサービス」もあるので、ぜひ活用してくださいね。
【公式HP】https://www.hellowork.go.jp
◆実際に利用した方の体験談
(50代・男性)
(※)「転職サイト」や「転職エージェント」は、広告費等を支払い求人を掲載しているため、企業の採用本気度が高い傾向にあります。
3-4. コネやツテなどの人脈
今まで培ってきた「人脈」も50代の転職では有効な手段です。
「転職がしたい」「リストラにあった」など、なかなか人に話すのは勇気がいることでしょう。
しかし、厳しい50代の転職を乗り切るためには、そうも言っていられません。
実際、今回のアンケートでも、周りの人達の助けによって転職に成功した方が多くいました。
友人や家族などのプライベートな繋がりから、取引先や同僚などのビジネスのつながりまで、相談できる範囲で普段から、話しておくことが大切です。
◆実際に利用した方の体験談
(50代・女性)
3-5. その他の3つの転職方法
この章では、アンケートでお答え頂いた転職方法以外で、編集部が調査した50代の転職におすすめの転職方法を3つご紹介します。
①転職フェア
複数の企業が集まって行われる合同説明会のことです。
直接、担当者に会えるので、その場で面接が決まったり、書類選考や一次面接が免除になることもあります。
そのため、書類選考になかなか通らないという方は、一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
②独立・開業
50代である程度の資金やスキルがある場合、就職だけでなく独立や開業も現実的な転職の選択肢に入れてみましょう。
大手企業に加盟してサポートもしてもらえる「フランチャイズ開業」や、自分で仕事を受注できる「フリーランス」など、以前より、敷居は低くなってきています。
③新聞・求人誌
手軽に求人情報をチェックすることができるのが、新聞や求人誌の魅力です。
U・Iターンを希望している方は、地方新聞の求人広告もチェックしてみましょう。
ただ、注意点として、転職サイトのように写真やイラストを用いた詳しい求人情報がない場合が多いので、どのような企業なのか自分で情報収集する必要があります。
4. 50代転職におすすめの転職サイト・転職エージェント
この章では、50代におすすめの「転職サイト」と「転職エージェント」を
・50代向けの求人数の多さ
・50代でもしっかりサポートしてくれること
を軸に、それぞれご紹介します。
・おすすめの転職サイト|リクナビNEXT
求人業界のパイオニアであるリクルートが運営している転職サイト「リクナビNEXT」。
・あらゆる業界や職種を網羅した求人掲載数の多さ
・シンプルなデザイン性で視覚的な見やすさ
などが、多くの転職成功者に支持されています。
また、企業から直接オファーが届く「スカウト機能」や、自分の強みを短時間で発見できる自己診断ツール「グッドポイント診断」など、長年のノウハウを存分に生かしたコンテンツが豊富に用意されているのも魅力の一つです。
絶対数の少ない50代向けの求人情報も比較的多く用意されているので、本気で転職をしたい50代の方は、ぜひチェックしてください。
【サイト名】リクナビNEXT
【運営会社】株式会社リクルート
・おすすめ転職エージェント|パソナキャリア
人材派遣会社大手のパソナグループが運営する転職エージェント「パソナキャリア」。
これまで25万人の転職をサポートと、取引実績16,000社という実績を掲げ、その信頼から多くの非公開求人を保有していることが強みです。
どんな求職者にも丁寧に対応してくれるキャリアアドバイザーの質の高さが魅力です。
【サイト名】パソナキャリア
【運営会社】株式会社パソナ
5. まとめ
今回は、転職がしたい50代の方のために、「50代の転職事情」と「50代で転職を成功させるための秘訣」をご紹介しました。
50代の転職で成功するためには、
・最低限譲れない転職条件を決める
・自分の市場価値を正しく把握する
・どんな仕事でもとりあえず応募する
ことが大切です。
ぜひ厳しい50代の転職を成功させるための参考にしてくださいね。
・冠婚葬祭の営業→施設警備
・転職期間:1ヶ月(収入ダウン)
運良く、すぐに内定を得られましたが、未経験から転職したので、給料は下がりました。多いときは月に50万円程もらえていましたが、今ではおよそ半分の25万円程です。しかし、前職は外回りの営業をしていたので、体力面的には楽になりました。給与面も営業と違い、大きくぶれる心配がないので、逆に安定した給料は年齢的にも良かったです。体力面的に若い人と競い合うのはしんどいので、給料が下がっても、なるべく一人の時間が多い仕事を探すのがおすすめです。
(50代・男性)