すべての人にとって持続可能(サステナブル)な世界を目指すための国際目標、「SDGs」。

特集「カスタムライフ SDGs LIFE」では、そんなSDGsの取組みを行う企業や団体にお話を伺っていきます。

今回お話を伺ったのは、『知のめぐりをよくする。』をコンセプトに、社会課題の解決を目指す株式会社サーキュレーション久保田雅俊社長ソーシャルデベロップメント推進室信澤みなみさん

久保田雅俊さん
◆株式会社サーキュレーション/代表取締役社長
大学卒業後、大手総合人材サービス企業に入社。2014年に独立し、株式会社サーキュレーションを設立。プロの持つ経験や知見を同時に複数の会社でシェアする「プロシェアリング」サービスを推進。メディア掲載実績・講演実績多数。経済産業省の人材力強化研究会にも有識者として登壇。
信澤みなみさん
◆株式会社サーキュレーション/ソーシャルデベロップメント推進室代表
2014年サーキュレーションの創業に参画。「プロシェアリングで社会課題を解決する」ために、企業のサスティナビリティ推進支援・ NPO/公益法人との連携による社会課題解決サービスを行うソーシャルデベロップメント推進室を設立。
信澤さん

久保田からは『サービスを立ち上げたきっかけと想い』を、
私からは『サステナビリティ推進支援の具体的事例』について紹介します。

1.”プロ人材のシェア”とは?

―本日はよろしくお願いいたします。まず、サーキュレーションについて簡単にご説明いただけますか?

  • サーキュレーション 久保田社長

久保田さん:サーキュレーションは、社会や人の可能性を最大化するサービスに取り組んでいます。

具体的に言うと、今は『プロシェアリング』というサービスを推進中です。

"プロ人材"をシェアするという考え方

―プロシェアリングとは何でしょうか?

久保田さん:プロシェアリングとは、高い専門性を持つプロ人材の経験や知見を同時に複数の会社でシェアし、経営課題の解決を目指す新しい人材の活用方法です。

1人の経験や知見を持った人が1社で働いても、それは1社だけにしか伝播しないですよね?

でも同時に3社で、プロジェクト単位で働けば、経験や知見は3社に伝わっていく。

1人のプロ人材が複数の会社で力を発揮すれば、生産性が上がり、労働力不足の解消にも繋がります。

社名の『サーキュレーション』の通り、まさに社会の『知のめぐりをよくする。』ことが目的ですね。

日本では2065年に労働人口が4,529万人になると言われていて、2021年と比べても約4割減る予測です。

経済の維持・成長のためには、労働力の確保は最重要課題ですよね。

その課題を解決するのに、少ない労働力でも大きな成果を生める仕組みを創造することが必要だと考えています。

サーキュレーションは、プロ人材による

・企業の持続可能な成長戦略実現
・1人が同時に複数社で働く多様な働き方

…を同時に創出。オープンイノベーションを促進することで、社会問題を解決したいと考えています。

このアイデアに行きついたのは、自分自身が若いころに体験した『ある出来事』がきっかけになっています。

大学時代、父の病と事業清算を経験

  • サーキュレーション 久保田社長

久保田さん:『プロシェアリング』を始めようと思ったきっかけは、大学時代に経験した父の病と事業清算の経験。

父は地元で学習塾を経営していたのですが、病に倒れ、事業を清算することになったんです。

家族総出で父の介護をしながら、事業を清算していく日々……。

このとき経営についてアドバイスいただけるプロ人材が側にいれば、事業を続けられたかもしれません。

しかし、地方の中小企業では、そんなプロ人材とは知り合うこともできないのが現実。

特に実働力があるスペシャリストとして独立した30代、40代のプロ人材の多くは都市部に集中しています。

日本は99%以上が中小企業と言われています。
多くの企業が、自分と同じ課題を感じている可能性があると強く感じました。

その後は総合人材サービスの企業に勤めました。

色々な人の働き方を目にする中で、日本の働き方がいかに窮屈なものであるか感じることも多かったです。

そのように段階的に気付いていった社会課題が、『プロシェアリング』のアイデアに集約されていきました。

印象的だった取り組み

―印象的だったプロシェアリングの取り組みはありますか?

久保田さん:引越しTechに挑んだことで売り上げを倍増させた、アップル引越センターさんとの取り組みはとても刺激的でした。

引越し屋さんのデジタル化って、想像するだけでも難しそうじゃないですか?

21歳でアップル引越センターを立ち上げた文字社長は「引越し屋日本一になりたい」という大きな夢を持った熱い社長です。

かねてから引越し業界の料金見積もりの不透明さを問題視していた文字社長は、データを蓄積・分析することで、訪問なしで引越し費用が確定できるシステムを構想していました。

ただ、社内にWebサービスを推進できる社員がいなかった。

そこにプロシェアリングでWebサービスの企画立案・構築のプロ人材を活用いただきました。

その結果、約100万件のデータを分析できるシステムを約1年でリリース。

1ヶ月で受注数が100件増えるなど、大きな反応が生まれました。

現在アップル引越センターを利用する単身者の3人に2人がこのシステムを使ってオンライン見積もりをしています。

社長がプロと一緒に協創していくプロと一緒にチームを作っていくという姿を見ることができ、とても印象に残る事例でした。

久保田さん

私からは、企業の経営課題解決についてお話させていただきました。
この次は、信澤より社内外のサステナビリティ推進支援についてご紹介します。

2.サステナビリティ推進支援について

―サーキュレーションは他企業のサステナビリティ推進支援にも力を入れている印象です。具体的にはどんな取組みをしているんですか?

  • サーキュレーション 信澤さん

信澤さん:サーキュレーションでは企業の課題解決以外にも、プロシェアリング で社会課題を解決する』ことを目指しています。

具体的には、

・企業のSDGs推進サステナビリティ経営支援
・NPO/地方自治体などセクターを超えた共創によるプロジェクト推進

…などにも挑戦しています。

ビジネスと社会課題解決の両立

―具体的な支援事例はありますか?

信澤さん:自治体・ソーシャルセクター・私たち民間企業の共創事例として、鹿児島県大崎町との循環型エコシステムの構築に向けたプロジェクト事例があります。

鹿児島県大崎町は、2006年度から2017年度までの12年間連続で『リサイクル率日本一』となった自治体です。

2018年度にはリサイクル率83.1%という驚異的な実績を残され、SDGs未来都市にも選定されました。

サーキュレーションでは、資源循環を中心としたこれまでのSDGsに関する取り組みの加速に向け、大企業との連携による事業モデル構築に協力。

想いに共感したプロ人材複数名に、プロボノ(各分野の専門家によるボランティア)として支援に関わっていただきご支援を行いました。

現在は、リサイクルの町から世界の未来を作る町を目指した『サーキュラーヴィレッジ』の構想実現に向け、引き続き新たなプロジェクトでの連携可能性を模索しています。

信澤さん

食品ロスの削減や、資源の循環活用について先進的な取り組みが行われていますよ。

サステナビリティと企業経営

信澤さん:日本企業の取り組むサステナビリティは、今まで、情報開示レベルでとどまってしまう側面も強かったように思います。

具体的な長期ゴールに対するコミットメントや目標設計など、経営実装までには至っておらず、本格的な推進に足踏みをする企業も多いという実態もあります。

でも、2021年の今は経営や事業を推進する側が自社がサステナビリティに取り組む意味を理解し、事業活動を通じてコミットメントしていくことが大切になってきました。

信澤さん

しかし経営層にサステナビリティを理解し、ビジネスとして実装できる人がいるのか?

これまで社内で実践してきた会社はまだまだ少なく、推進の壁にぶつかっていることも多いんです。

でも私達なら、サステナビリティに関するグローバルトレンド理解し、具体的な知見や実績を持つプロ人材と繋げられる。

自分たちが掲げる社会課題への貢献項目に対して、事業活動を通じて取り組んでいく方法について一緒に考え、プロジェクトメンバーとして共創することが可能です。

そうすれば、「投資者向けの情報開示」だけではない、本当の意味でのサステナビリティへの取り組みを推進できるはずです。

自社内での広がり

―サーキュレーションの社内では、どのようにサステナビリティを考えていますか?

信澤さん:定期的に全社員を巻き込んだPhilosophy & Sustainability MTGを通して、社内へ「サーキュレーションの持続可能性」を考える機会を提供しています。

内容は、経営理念を共有しながら一緒に次の10年を考えるというもの。

今のお客様にどういうことを提案するべきか?
会社はどうしていくべきか?

答えのない問いや大きな社会課題について一人ひとりが考える機会を提供し、自分自身の明日からの仕事アクションの新たな可能性を見出していけると思っています。

また、私が直接行うサステナビリティについての研修もあります。

信澤さん

SDGs、ESG、サステナビリティ……持続可能性を考えるとき、キーワードが乱立して全体像が見えにくいんですよね。

社会の課題が今どうなっているのか、
企業がどういうスタンスで動くべきか。

その点と点を繋いであげないと「会社にやらされている」という意識になってしまいます。

会社の未来やお客様への価値創出を創り出していくのは、同じ志をもつ社員一人ひとりがいてこそ。

社員と一緒に歩めるよう、継続して取り組んでいきたいと思います。

信澤さん

サーキュレーションと取り組み実績のある企業と、これからのSDGsについて語るセミナーも開催しています。

サステナビリティ推進にあたって、何をしたらいいか分からない…という方はぜひ一度ご参加ください。

3.誰もが活躍できる未来に向けて

―では最後に、サーキュレーションとしてのゴールをお聞かせください。

久保田さん:機会格差をなくし、人の可能性を最大化させられる会社であり続けたいです。

2021年、今ってとてもカラフルで、多様性のある時代ですよね。

今こそ経験・知見を蓄え続ける時代から、知識を循環させる時代に入るべきです。

「知のめぐりをよくする。」ことで、世界に生きる人々の機会格差をなくし、人の可能性を最大化させる。

僕たちは、そんな社会を目指して挑戦し続けます。

サーキュレーションについて
会社名  株式会社サーキュレーション http://www.circu.co.jp/
代表者  代表取締役 久保田 雅俊
設立   2014年1月6日
所在地  東京都渋⾕区神宮前3-21-5 サーキュレーションビルForPro
「世界中の経験・知見が循環する社会の創造」というビジョンのもと、外部プロ人材の経験・知見を複数の企業で活用するプロシェアリングサービスを運営しています。高い専門性を有するプロ人材の経験・知見をプロジェクトベースで活用頂くことで、 企業の抱える課題の解決、ミッションの達成を支援します。
15,000名以上のプロ人材のリソースから、企業の経営課題・業界・成長フェーズ・社風・経営における理念・思想を鑑み、企業に最適なプロ人材を選出、課題解決プロジェクトチームを組成します。登録している20代から70代のプロフェッショナル人材は、対面でのインタビュー(及び電話/skype)を実施し、独自の人材アセスメントにより、スキル・経験・志向性・人物について適正な評価・知見を蓄積しています。2014年設立以来、導入実績は 約2,200社/7,800プロジェクトを数えます。(2020年7月1日時点)

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